2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560282
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森藤 正人 大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (00230144)
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Keywords | ツェナー電流 / 共鳴効果 / 電子波干渉 / 共鳴トンネル効果 |
Research Abstract |
本年度は、ツェナートンネル電流における共鳴効果を、電子波の時間発展と干渉効果という観点から理解し記述するための理論的な枠組みを構築した。 1.ツェナートンネル電流の時間変化 昨年度までに行った、経路積分法を用いた共鳴トンネル効果の理論(M.Morifuji, Physical Review B71,035334(2005))と電子波干渉による固有状態の形成過程を記述するための理論(K.Ikegami他,Physica E33,381-387(2006))を発展させて、複数のバンドを持つ系に対しても対応できるように理論の拡張を行った。さらにこの理論に基づいて、ツェナートンネル電流の時間発展を計算するためのプログラムを作製した。引き続き、このプログラムを用いてp-i-nダイオードを流れる電流特性の過渡特性に関する計算を行うことを計画している。 2.スピン状態の緩和過程 上記の理論を静磁場中でのスピンの問題に応用してスピンの緩和過程を調べた。初期状態として任意の方向に向いたスピン関数を取り、外部からの擾乱がある場合にこの状態の時間発展を干渉効果を考慮してシミュレーションにより計算した。その結果、干渉効果により時間とともに固有状態が形成されること、任意の方向を向いていたスピンは擾乱を受けることにより上向き、下向きの2つの状態に緩和していくことが示された。(quant-ph/0609039に投稿。)
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Research Products
(1 results)