2006 Fiscal Year Annual Research Report
巨大伝導帯オフセットをもつ量子井戸材料の探索と量子構造の作製
Project/Area Number |
17560283
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
下村 哲 愛媛大学, 大学院理工学研究科, 教授 (30201560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北田 貴弘 徳島大学, 大学院ソシオテクノサイエンス研究部, 助教授 (90283738)
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Keywords | InGaAs / AlAsSb / InGaAsN / AlAsSbBi / 巨大伝導帯オフセット / サブバンド間吸収 / その場反射率スペクトル測定 |
Research Abstract |
サブバンド間吸収を用いて光通信帯の光を光スイッチできる有用な量子構造を作製するには、これまで(100)InP基板上に作製されてきた格子整合InGaAs/AlAsSb量子井戸構造よりもさらに界面が平坦で巨大伝導帯オフセットをもつIII-V化合物量子井戸を作製する必要がある。これは、より弱い光強度で、吸収飽和が生じ、2光子吸収などを低く抑えることができるからである。それにはこれまで、ほとんど試されていないビスマス(Bi)やラジカル窒素(N)などをとりいれた材料探索をおこなう必要がある。障壁層では、AlAsSbのSb組成を増やす。または、Sbに替えて、Biを導入し、障壁層の伝導帯端をさらに上げる。井戸層においては、InGaAsに窒素ラジカルソースを用いてNを導入して、井戸層の伝導帯端をさらにさげる。このような材料を用いた量子井戸構造が、界面の平坦性よく作製できるようになれば、さらに大きな伝導帯オフセットが得られると考え、研究を進めている。本年度は、研究の場を、大阪大学・基礎工学研究科から愛媛大学・理工学研究科に移し、新任地で本研究をさらに発展させられるよう、分子線エピタキシー装置およびNラジカル、液体窒素の供給系の整備をおこなった。さらに、この系では、格子整合をきちんと取り、バンドアライメントについての情報を成長しながらその場でとることができるようになると材料開発が格段に容易になる。今回、16チャンネルのフォトダイオードと分光装置で反射率や変調反射率スペクトルを測定できる装置を自作した。非常に限られた視野角で、反射率スペクトルを測定可能であることを確認した。
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Research Products
(1 results)