2007 Fiscal Year Annual Research Report
巨大伝導帯オフセットをもつ量子井戸材料の探索と量子構造の作製
Project/Area Number |
17560283
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
下村 哲 Ehime University, 大学院・理工学研究科, 教授 (30201560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北田 貴弘 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (90283738)
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Keywords | 巨大伝導帯オフセット / GaAsBi / 超平坦界面 / 量子細線 / (411)A / (775) |
Research Abstract |
量子井戸の井戸層および障壁層それぞれに、V族原子種を替えて導入すると、バンドオフセットを大きく制御できる。井戸層には、As原子に変えてN原子を、障壁層にAs原子に変えてSbまたはBi原子を導入すれば、より高い伝導帯障壁を取ることが可能になり、(100)InP基板上に作製されてきた格子整合InGaAs/AlAsSb量子井戸構造よりも大きなバンドオフセット(巨大伝導帯オフセット)をもつIII-V化合物量子井戸を作製できる。さらに、界面の平坦性を同時に改善できれば、より弱い光強度で、サブバンド間吸収飽和が生じ、高速の光デバイスが作製できると期待される。 H19年度、7Nクラスの高純度Biを分子線エピタキシー装置に導入し、Biを含むIII-V混晶材料を作製した。(100)GaAs基板、(411)A GaAs基板、その反転面である(411)B GaAs基板、(775)A GaAs基板、(775)BGaAs基板上にGaAsBiを成長した。(411)A GaAs基板は界面の平坦性に優れ、(775)B GaAs基板は、界面に波板(なみいた)状のコラゲーションが形成され、量子細線、量子細線レーザが作製できる重要な基板である。成長温度T_s=300℃で成長したGaAsBiにおいて、(411)A GaAs基板上では、(411)B GaAs基板上に比較して、10%Bi濃度が低いことがわかった。また、(775)A面でBiが成長方向均一に取り込まれるのに対して、(775)B GaAs基板上では、Biの偏析が非常に大きいと考えられる高精度X線回折スペクトルをえた。これまで、GaAsBi薄膜の(001)基板上の分子線エピタキシー成長に関する報告は2件しかなく、また高指数面基板上へのGaAsBiの成長の報告はない。
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Research Products
(2 results)