2006 Fiscal Year Annual Research Report
シリコンナノ結晶分散薄膜を用いた微小球光共振器の作製と光学特性解析
Project/Area Number |
17560306
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
猪熊 孝夫 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (50221784)
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Keywords | 量子ドット / ナノ材料 / 応用光学 / 微小共振器 |
Research Abstract |
本研究では,nc-Siを内包した微小球光共振器の新たな作製方法の確立を目的とする。さらに,その光学的性質について,自然放出光と微小共振器の相互作用に関する共振器量子電気力学的見地からの解析を目指した。平成18年度の研究実績の概要は以下の通りである。 試料のベースとなるα-SiO_x薄膜は,現有設備の高周波スパッタリング装置にて堆積したものを用いた。スパッタリングターゲットには,100mmφのSiO_2ターゲット上にSiチップを載せたものを用いた。このSiチップの量によって堆積膜の組成を制御した。基板は耐熱性を重視してタングステンを用い,堆積膜厚は5mmとした。堆積したSiO_x薄膜を島状に微細加工するために,電子ビーム描画装置によりパターニングを行った。パターンは直径0.5〜20μmの円形とし,リフトオフによってCrマスクパターンを試料上に残した。エッチングには,CF_4ガスによる反応性イオンエッチングを用いた。エッチング後,集束イオンビーム加工装置あるいは走査型電子顕微鏡にて観察を行い,形成されたパターンを確認した。ウェットエッチングにより,Crマスクを除去した。次に,赤外線ゴールドイメージ炉を用い,微細加工により基板上に島状に残したα-SiO_xに対し軟化点温度付近(1200〜1800℃)で熱アニーリング処理を行った。試料セルはモリブデン製を用い,熱処理雰囲気は酸化防止のためにアルゴンガスフロー中とした。熱処理条件は,1600℃において2分間が最適であることが分かり,この条件により,基板上パターンの形状を半球形に変化させることに成功した。しかしながら,光学的な測定結果を得るまでには至らなかった。
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Research Products
(2 results)