2005 Fiscal Year Annual Research Report
超高耐放射線・気体絶縁ゲート電界効果トランジスタの研究
Project/Area Number |
17560309
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
角南 英夫 広島大学, ナノデバイス・システム研究センター, 教授 (10311804)
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Keywords | 電界効果トランジスタ / 絶縁ゲート / 気体絶縁 / 耐放射線 / 高耐圧 / シリコン窒化膜 / 熱リン酸 |
Research Abstract |
本研究の目的は、従来のMOS(金属-酸化膜-半導体)トランジスタの酸化膜を気体に置き換え、宇宙線や放射線劣化の最大要因である酸化膜を不要とすることによって、抜本的な放射線耐性向上を目指すものである。副次的な効果として微細トランジスタのゲート耐圧向上、信頼性向上が期待できる。SF_6などの気体封入により絶縁耐圧を向上する技術は、古くから電力遮断器などで応用されているが、世界的にも集積回路のトランジスタに適用した例はない。 2005年度はまず、通常のシリコンを用いたMOS(金属-絶縁膜-半導体)トランジスタの構造から、除去する絶縁膜の材料およびそれに見合ったエッチング液の探索を、机上検討および一部の実験を通じて行った。机上検討した材料は、アルミナ(Al_2O_3)膜、シリコン窒化膜(Si_3N_4)、BST、PZT、各種シリサイド膜などであるが、シリコン基板との親和性、適切なエッチング液存在の有無などを勘案した結果、第一候補をシリコン窒化膜、エッチング液を熱リン酸と決定した。 この熱リン酸によるエッチング速度を、シリコン窒化膜、シリコン(SiO_2)酸化膜、シリコン基板について実測した結果、気体絶縁ゲート構造を実現できる組み合わせを見いだした。この結果から、トランジスタ試作のマスクパターンを設計し、試作に着手した。
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Research Products
(3 results)