2006 Fiscal Year Annual Research Report
液晶材料を用いた回折型ミリ波制御デバイスに関する研究
Project/Area Number |
17560314
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
能勢 敏明 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (00180745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
莅戸 立夫 富山大学, 工学部, 助教授 (00261149)
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Keywords | 液晶 / ミリ波 / フレネルレンズ / ナノ粒子 |
Research Abstract |
低電圧・低電力で空間を伝搬するミリ波を制御するデバイスの実現を目指し、液晶による可変レンズ、可変回折格子等の可能性を検討している。液晶材料は光波領域では優れた電気光学材料として良く知られているが、桁違いに波長の長いミリ波領域では桁違いに厚い液晶層が必要となり、デバイス形状もバルキーなものになる事が予想される。そこで本研究では、フレネルレンズに代表される回折型のデバイス構造を導入して薄型の液晶可変デバイスの実現を検討した。液晶材料の基礎特性等に関する知見の他にデバイス構成に関する以下の知見が得られた。 初めに、ミリ波帯において典型的回折型デバイスであるフレネルレンズの有用性を確認するために、市販のプラスチック材料を用いてフレネルレンズを試作した。通常の2ステップを4ステップ程度に増やすだけで、ミリ波の収束効率が大幅に増加し良好なレンズ特性が得られる事が確認された。 次に、液晶層の超厚膜化を目指してメンブレンフィルタに液晶材料をしみ込ませる方法を検討した。その結果、液晶分子はフィルタ繊維の最も細い繊維構造に沿って配向し、大きな異方性が現れる事が明らかになった。これらは静的な評価結果であり、今後実際に液晶を駆動する事を考慮して、メンブレンフィルタの最適化を行う必要がある。 さらに、実際に液晶を駆動する為の積層された電極構造のミリ波伝搬特性について検討を行った。ここでは市販の金属箔テープを誘電体を介して多数積層してモデル電極を作製した。その結果、積層した電極面に垂直な偏波が選択的に透過する様子が確認された。しかし、現状はその透過率は低く、実際のデバイス応用のために電極材料や積層の周期などを最適化する必要があり、デバイスを実現するための具体的な課題が明らかになった。
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Research Products
(5 results)