2005 Fiscal Year Annual Research Report
半透過型液晶ディスプレイの高性能化に関する基礎的研究
Project/Area Number |
17560321
|
Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
福田 一郎 金沢工業大学, 工学部, 教授 (10064445)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 康正 金沢工業大学, 工学部, 教授 (50148152)
|
Keywords | ディスプレイ / 液晶 / 半透過型 / 省電力化 / 高画質化 / 広視野角化 |
Research Abstract |
半透過型LCDの高性能化(省電力化、高画質化、広視野角化)を目的として、今年度は主に、平行配向セルを、反射部は位相差1枚、透過部は光の入射と出射側に各1枚(計2枚)の位相差板で補償した最も簡単な構成の表示特性と関連パラメータの関係をシミュレーションで調べた。その際、まずセル法線方向の表示特性を反射部、透過部の順に最適化、続いてセル法線方向に対して最適化したセル条件の視野角特性を反射部、透過部の順に最適化した。その結果次のような結果が得られた。 1.セル法線方向に対してはNBモード、NWモードともに、TFT駆動のオン電圧を現状の4.0[V]から2.0[V]まで低下させても、表示の明るさ(明状態の反射率または透過率)49%以上、コントラスト比100:1以上で、分光反射率の波長依存性の小さい白黒表示が得られる。ただし、位相差板のΔnの波長分散は、通常とは異なり波長とともに大きくなる逆分散となる。 2.NBモードでは、セル法線方向の表示特性を最適化したセル条件における位相差板の屈折率nzを最適化すると、TFT駆動のオン電圧を2.0[V]まで低下させても比較的広い視野角が得られる。したがって、TFT駆動のオン電圧が4.0[V]の現状の半透過LCDに比べ、パネルの消費電力を高画質と広視野角を保ちながら約1/4に低減できる。一方、NWモードに対してはNBモードと異なる広視野角化手法が必要である。 3.セルギャップが設計値(最適値)から±2%変動しても視野角特性にほとんど影響を及ぼさないことを確認した。現在、セルギャップは±1%の精度で制御できることから、上記の半透過型LCDは現状の技術で容易に製造できると思われる。 4.オフ電圧を0[V]から閾値電圧1.0[V]まで上昇させても視野角特性はほとんど変化しないことを確認した。したがって、パネルの消費電力を更に低減できることになる。
|
Research Products
(2 results)