2005 Fiscal Year Annual Research Report
WGモード誘電体共振器を用いたミリ波デュプレクサの開発
Project/Area Number |
17560328
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
古神 義則 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (10260473)
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Keywords | ミリ波 / デュプレクサ / 誘電体共振器 / ウィスパリングギャラリーモード / NRD回路 |
Research Abstract |
今年度得られた研究成果を以下にまとめる。 (1)ミリ波回路構成用材料の選定とそのミリ波特性の把握 ミリ波誘電体回路の構成材料を選定すべく、アルミナ、サファイア、あるいはプラスチック樹脂材料などの低損失材料の50〜100GHz帯にわたる複素誘電率測定を測定した。測定には研究代表者らが開発したWGモード共振器法を用いた。WGモードの共振特性から複素誘電率を算定する際に用いる、電磁界解析手法(モードマッチング法)にさらに改良を加え、測定精度の向上に成功したことにより、今回得られた複素誘電率測定値の確度は、回路設計においても必要な精度(比誘電率の測定誤差1%以下)を確保することが出来た。 (2)ミリ波フィルタの広帯域化に関する検討 フィルタの広帯域特性を実現するための鍵である円板共振器の高効率励振方法に関する検討を行った。自作のFDTD回路シミュレーターを用い、円板内に励振しようとするWGに対して外部回路の最適寸法の選択が可能であるかどうか調べた。現在、この設計の妥当性を実験により検証している。また、蜜結合時の外部放射を防ぐ一手段として、NRD回路の適用を検討した。 (3)ミリ波分波回路のための周波数選択性を有する結合構造の検討 分波回路として2つのチャンネルの信号をそれぞれ別の回路に導くデュプレクサ回路を想定し、一方のチャンネル周波数の信号を結合させ、他方は結合させない回路の実現可能性を検討した。FDTDシミュレーションにより、NRD回路構造を用いることにより、そのような特性を実現可能であることを見出した。 以上の検討結果から、デュプレクサ構造の入出力部には、高い結合効率および周波数選択性を有する励振特性を付加したNRD回路を用い、中段の共振器には高い無負荷Qを有する誘電体円板共振器を用いることにより、低損失性と周波数選択性を同時に確保できる見通しをつけることが出来た。
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Research Products
(6 results)