2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560341
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
伊藤 良生 鳥取大学, 工学部, 教授 (70263481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
衣笠 保智 松江工業高等専門学校, 電気工学科, 講師 (40300610)
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Keywords | 騒音抑圧 / 音声 / 広帯域騒音 / 正弦波騒音 / 適応フィルタ / 基本周期検出器 |
Research Abstract |
2種類の適応線スペクトル強調器(ALE)と適応騒音推定フィルタ(NEF)及び適応線形予測器(LP)を使用した,広帯域騒音並びに正弦波騒音の騒音抑圧方式の開発ならびにその演算量削減手法について検討を行った.以下にその概要を述べる. 音声の定常区間は約20msということが知られている.従って,音声信号は,短時間で観測すると定常な信号である.一方,長時間で観測すると非定常信号である.2種類のALEでは,この音声の特性の違いを利用して,正弦波騒音及び広帯域騒音の抑圧を行う.正弦波騒音は換気ファンなどから発生するため定常性が強いと考えられる.そこでALE_1において,音声の非定常性及び正弦波騒音の定常性を利用して正弦波騒音の抑圧を行う.次に,ALE_2において音声の定常性並びに広帯域騒音のランダム性を利用して広帯域騒音の抑圧を行う.さらに騒音抑圧性能を改善するため,NEF並びにLPを用いて騒音抑圧性能の改善を行う.シミュレーション実験より本手法の有効性が確認された.しかしながら,本手法では複数の適応フィルタを用いるため,演算量が増加する問題が生じた. そこで,正弦波騒音を抑圧するために用いるALE_1の演算量削減手法について検討を行った.本手法は,ALE_1の係数が正弦波騒音の周期に応じてピークを持っ特性を利用し,ピークに対応するタップのみを係数更新する手法である,ただし,この手法では正弦波騒音の基本周期を予め推定しておく必要がある.そこで,ALEを用いた基本周期検出器について提案を行った.この手法では,音声を長時間観測すると非定常信号とみなせる特性を利用しているため,基本周期を持つ正弦波とその高調波からなる音声が混在する環境に対しても,正弦波騒音の基本周期を検出することが可能である.
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Research Products
(5 results)