2006 Fiscal Year Annual Research Report
カーディナルスプライン関数によるUWBパルス生成システム
Project/Area Number |
17560357
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
鎌田 賢 茨城大学, 工学部, 教授 (70204609)
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Keywords | スプライン / UWB / 線形動的システム / 時間制限波形 / 正規直交関数系 |
Research Abstract |
階段状関数によって駆動されるm次(m≧2)線形ダイナミカルシステムの出力として生成されるカーディナルスプライン関数φのうち、区間[0,2m]内に時間制限されていて、偶数ごとのシフトφ(t-2n),(n=0,±1,±2,・・・)と2階微分φ"(t)との内積がn=0のときに-1となり、その他の場合に0となる意味で直交するようなパルスφを構成する一般的な方法が得られた。広帯域アンテナが時間に関する微分で近似できるという前提をおけば、このパルスの偶数ごとのシフトφ(t-2k)を情報ビットUkで重み付けた送信波形ΣUkφ(t-tk)を送信アンテナに給電したとき、電波波形はその1階微分ΣUkφ'(t-2k)となり、受信アンテナで得られる波形は2階微分ΣUkφ"(t-2k)となる。パルスは互いに重なりあっているが、受信機において、受信波形とφ(t-2n)との内積をとると、それは直交性によって-Unとなる。これが情報ビットの検波結果となる。また、この直交性は、1階微分φ'(t-2n),(n=0,±1,±2・・・)が正規直交関数系になっていることに等価であるので、この検波は、実は、電波波形での最小2乗近似の意味で最もノイズを抑圧する最適な検波となっている。 ここまでの結果をもとに通信系の国際会議での発表に応募した。理論的な革新性は理解されたようだが、結果として得られるパルスの実用性についての理解が得られず、採択されなかった。応用数学系の国際会議International Workshop on Sampling Theory and its Applicationsには採択された。 工学系の会議および論文誌では、実際のパルスの例が要求されるので、いくつかのパルス例を設計した。次数mが4の場合にはコンピュータプログラムによる全探索を行った。その結果、FCCスペクトルマスク(インドアー)を満たすパルスが得られた。しかし、この例は、マスクで許された帯域を十分に活かしているとはいい難い。このマスクを絶対的な要求として捉えるならば、次数mを大きくして、より実用的な設計結果を得る必要がある。
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Research Products
(1 results)