2006 Fiscal Year Annual Research Report
実音響空間でのリアルタイム信号分離において最高性能を狙う独立成分エンジンの製作
Project/Area Number |
17560368
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
高橋 弘太 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (10188005)
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Keywords | 独立成分分析 / マイクロホンアレイ / 実時間信号処理 |
Research Abstract |
本研究の目的は,実音響空間での実時間信号分離を高い性能で行なうことでのきる演算装置を実際に製作することにある.本年度は,主にハードウエアの拡張と増設,実験を容易にするためのマンマシンインターフェース部の設計と製作を行なった,まず,初年度は10台のDSPによる並列処理であったものを,本年度は18台に拡張した.台数が増えることでクロック供給部や電源部に動作不安定を生じたので,これらを新たに作り直すことで18台のDSPが安定して動作するようにした.また,リアルタイムでICA動作を行なっているときに,研究者がそのパラメータをコントロールしたり,あるいはICA動作をグラフィカルに研究者に提示するためのマンマシンインターフェースを作成した.具体的には10チャンネルの10ビットAD変換器ユニットと操作用パッドを作成し,DSPシステムのパラメータをスライド型可変抵抗器で自由に操作できるようにした.提示部においては,これらの操作量や内部状態をフレームレート60Hzでリアルタイムに数値やグラフ表示できるようハードウエアやソフトウエアを拡充させた.これらの表示がソフトウエア製作者にとって容易に行なえるようにするツールも完備させた.以上がハードウエアとソフトウエアの両面での研究の進展である.理論的研究としては,ICAを行なった後に後処理によって,その分離にさらに磨きをかける(音声を聞き取りやすくする.漏話を抑制する)という研究も行なっており,最終年度にシステムへの組み込みが可能になるよう研究を進めた.
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