2006 Fiscal Year Annual Research Report
自律制御によるデータ選別・圧縮機能を備えた科学衛星塔載用電磁波計測器の開発
Project/Area Number |
17560370
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
笠原 禎也 金沢大学, 総合メディア基盤センター, 助教授 (50243051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 由貴 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (30361976)
長野 勇 金沢大学, 副学長 (50019775)
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Keywords | 科学衛星 / 電磁波動計測器 / データ選別 / データ圧縮 / 発見的アルゴリズム / 信号処理 / 自律制御ソフトウェア / 宇宙環境計測 |
Research Abstract |
本研究は、自律的にデータの選別・圧縮を行なうインテリジェント計測/データ処理技術を研究・考案し、制約条件が厳しい科学衛星上でコンパクトかつ処理負荷が軽い超小型デジタル受信器を実現するための基礎技術の獲得を目的とする。今年度は、次の3点について検討を進めた。 1)各種データ圧縮アルゴリズムの既存計測データを用いた比較研究と定量評価 前年度から検討中の可逆圧縮法について、実衛星でのパラメータ(データのパケット長やサイエンス上必要な時間・周波数分解能)をもとに実現性の可否を検討し、比較的良好な特性を示す適応型レンジコーダの構成法を見出した。加えて、非可逆圧縮の採用の可否の検討を開始した。非可逆圧縮では科学的に重要な情報の損失や歪みが生じないことが必須条件で、今後、更なる検討を加え、可逆・非可逆両手法のトレードオフを比較・評価する。 2)計算負荷の見積もりと機上のデータフローの実現評価手法の検討 電磁界センサで得た広帯域波形データをCPU上で効率的に周波数解析するための最適な処理手順(デシメーションやフィルタリング手法)を検討した。複数の方法について検討したが、特に低周波帯の波形データの処理負荷が重く、今後さらなる検討が必要である。 3)データ選別・自動抽出機能に関する技術的課題の検討 SELENE搭載波動観測装置に実装したデータ選別機能を実機で動作確認し、地上試験では良好な特性が確認できた。同機能は平成19年度秋にSELENEが実観測を開始した後に、最終評価を予定している。一方、地球周辺電子密度の空間構造解析に有用な雷起源ホイスラー波を、取得データから自動検出するアルゴリズムを一般化し、従来法に比べ検出性能が大幅に向上したことを示した。
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Research Products
(6 results)