2005 Fiscal Year Annual Research Report
マルチマイクロプローブ電極による網膜電位図の局所空間分布特性の解析
Project/Area Number |
17560380
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
石原 彰人 中京大学, 生命システム工学部, 講師 (80387620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臼井 支朗 理化学研究所, ニューロインフォマティクス技術開発チーム, チームリーダー (40023337)
針本 哲宏 中京大学, 生命システム工学部, 助手 (40387626)
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Keywords | 網膜電位図(ERG) / マルチマイクロプローブ電極 / 数理モデル / 局所空間分布 / パラメータ推定 / イオン電流 |
Research Abstract |
網膜電位図(ERG)の観測波形と応答部位の関連を明らかにすることは、網膜の時空間処理機能の解明や臨床でのERG検査への応用において重要な課題の1つである。本研究では、ERGの応答発生メカニズムに対して、結晶成長技術により作成されたマルチマイクロプローブ電極による局所ERGの直接計測と、数理モデルを使用した生理工学的アプローチにより、その生成に関わる網膜神経回路機構を解析する。本年度は、マルチマイクロプローブ電極の特徴を活かした、より微小な空間における局所ERGの計測実験系を確立した。また、局所ERGを特徴付ける神経メカニズムへの数理モデルによるアプローチのため、モデルパラメータ推定手法に関する研究を進めた。 1)マイクロプローブ電極によるERGの空間分布特性の計測 これまでに試作・開発されてきたマルチマイクロプローブ電極を用いたコイERGの空間分布特性を計測する実験系の構築を進めた。すなわち、多入力高頻度刺激など2次元的な刺激を提示するための輝度補正用機器、制御用のPCなどを新たに導入し、既存の網膜光応答計測実験系を変更して、局所ERG計測実験系を構築した。これにより、網膜を使った空間的マルチ入力-マルチ出力の実験にて網膜の空間情報処理メカニズムに関するデータを収集すると同時に、開発が進められているマルチマイクロプローブ電極の改良のための基礎的データを収集した。 2)神経細胞パラレルコンダクタンスモデルのパラメータ推定 既に構築してきた網膜双極細胞のパラレルコンダクタンスモデルを基に、そのイオンコンダクタンスを実験中に推定する手法を開発した。本手法を用いて薬物潅流時におけるイオンコンダクタンス値変化を推定したところ、その薬物によって阻害されるイオンチャネルのコンダクタンス値が低下することを検出できた。本手法を用いることで多くのサブタイプからなる網膜細胞のイオンコンダクタンスレベルでの詳細な解析が可能になるものと期待できる。
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Research Products
(4 results)