2007 Fiscal Year Annual Research Report
位相情報を取り込んだ新しいロバスト制御理論体系と多自由度制御系設計法の構築
Project/Area Number |
17560385
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
渡部 慶二 Yamagata University, 大学院・理工学研究科, 教授 (50007027)
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Keywords | モデルブリッジ制御 / 内部モデル制御 / ロバスト制御 / 多自由度制御 / 誤差補償 / 位相補償 |
Research Abstract |
本研究の目的は,従来のスモールゲイン定理にもとづくロバスト制御の問題を解決するため,モデル誤差の位相も加味した新しいロバスト制御理論体系を構築するとともに,それを多自由度制御系の設計法として体系化することである.2年間の成果を踏まえ,つぎのことを達成した. 1.位相進み形誤差補償多自由度ロバスト制御に関して,モデル誤差の補償器の選定法を与え,ロバスト安定条件を導きだし,設計法を与えた.数値計算によって有効性を確かめた. 2.位相進み形補償,位相遅れ形補償,従来の補償なしの制御の比較を行い,応答の良さはこの順であることが分かった.補償しない場合にくらべ補償によって大幅に応答が改善されることが分かった. 3.多入力多出力系への拡張の際,状態フィードバックによる非干渉化の条件が必要である.この条件を満たせないときでも,可逆であれば,前置補償器で条件を満たすことができるようにした.これで,一般の多入力多出力系への拡張を可能にした. 4.多入力多出力系の誤算補償法には2種類あることが分かった.そのうち,モデル誤差の見積もりが容易な方法をつかった補償法を確立した. 5.多入力多出力系の相互干渉はロバスト安定性を劣化させるので,ロバスト非干渉化法を確立した. 6.上記の制御をおこなうための状態の測定に,ロバストオブザーバを与えた.特に,特性方程式が対角になるオブザーバの設計を完成させることができた.学会総合論文として投稿した. 7.新しいロバスト制御理論と設計法の体系の構築に関する過去2年間の成果と19年度の成果を,「モデルブリッジ制御」としてまとめ学会総合論文として投稿した.また、研究成果を広く使えるように専門書としての出版を準備している.
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Research Products
(4 results)