2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560390
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古谷 栄光 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (40219118)
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Keywords | 鎮静度制御 / 吸入麻酔 / BIS / セボフルラン / プロポフォール / 相互作用 / 薬力学モデル |
Research Abstract |
近年,覚醒が早く副作用が少ない麻酔薬が開発され,手術による患者の負担を軽減できるようになってきている.麻酔薬には静脈麻酔薬と吸入麻酔薬があるが,吸入麻酔薬に関しては患者の鎮静度ではなく呼気中麻酔薬濃度に基づいて調整されるのが一般的である.本研究では,吸入麻酔薬に関しても静脈麻酔薬と同様に鎮静度指標に基づいて投与速度を調整することにより,より患者の負担が小さく望ましい麻酔状態を実現するシステムの開発を目的として,吸入麻酔薬投与速度調整機構の試作を行った.また,最近両麻酔薬の長所を組み合わせて併用する麻酔法が行われているが,このような場合にも鎮静度を適切に制御するため,麻酔薬の相互作用のモデルと鎮静度制御法の検討を行った. 吸入麻酔薬投与速度調整機構については,医師の手動調整と両立可能なアクチュエータを試作した.これは取り付け,取り外しが容易で,設定精度も高く,調整速度も鎮静度の自動制御を行う際に利用する吸入麻酔薬濃度の範囲では十分に速い.ただし,現在のものは特定の気化器にのみ対応可能であり,一般に利用できるようにするには,濃度設定ダイヤルとの接続部分にさらなる工夫が必要である. 静脈麻酔薬と吸入麻酔薬の相互作用に関しては,薬理学的考察からさらに検討を行い,それぞれの麻酔薬が単独で使用された場合の薬力学モデルと整合性があり,相互作用を表すための追加パラメータを必要としない実用的な薬力学モデルを提案した. また,静脈麻酔薬と吸入麻酔薬を併用する場合の鎮静度制御系をモデル予測制御を用いて改めて構成するとともに,麻酔導入時の鎮静度変化から各患者の薬力学モデルパラメータを同定する機能を開発した.シミュレーションによる検討の結果,シミュレーションの範囲ではほぼ適切に鎮静度を制御できることがわかった.各患者のパラメータ同定はあまり正確に行えなかったが,モデル化誤差の影響を低減する効果があった.
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Research Products
(2 results)