2005 Fiscal Year Annual Research Report
入出力空間における理想と現実のデータマッチングに基づいた制御系設計
Project/Area Number |
17560392
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 茂 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (70220465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 隆雄 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (70029510)
金子 修 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (00314394)
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Keywords | 制御系設計 / 制御器チューニング / システム同定 / データ駆動型制御器設計 / モデル規範制御 |
Research Abstract |
制御対象の特性を反映する実験データ(現実)と仕様の応答(理想)に非反証な制御器の最適パラメータをオフラインで求める手法の開発を平成16年度に分担者の藤井および金子によって考案されたFRITをさらに発展させる形で行なった.FRITは一回の実験データにより,制御仕様を満足する制御器パラメータをチューニングする手法である.本年度は以下の結果を得た. (1)FRITを最小二乗演算で実行したときの最適性の厳密な解析を行った.仮想領域で最適化を行なうFRITを最小二乗法の計算で実行したとき,初期の出力データと所望の閉ループ特性から構成されるあるフィルタを,初期データに施すことで所望の最適値に近いパラメータを得ることができることを示した.これにより,定量的に保証されたもとで一回の実験データおよび最小二乗法という簡単な計算により,所望の制御器パラメータを得る手法を開発した. (2)FRITとVRFTの比較を行った.VRFTはFRITときわめて似た手法の一つである.これらの手法を厳密に比較し,FRITが閉ループデータを扱える,試行錯誤する点が少ない,などの利点を有することを示した. (3)制御器パラメータ調整を用いた新たな同定手法の開発を行った.制御対象の構造を制御器に含む場合には,仕様を満たす制御器のパラメータの調整は,そのまま仕様の範囲内でのシステム同定につながることに着想を得て,FRITのパラメータ同定手法を,逆に制御対象のシステム同定に応用することを考案した. (4)FRITおよびVRFTと同じ問題設定で,制御器とある種の伝達関数の同定を行う手法を開発した.この手法は,制御器と制御対象の間の不安定な極零相殺の可能性を実装前に判定できるという特徴を有する.
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Research Products
(5 results)