2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560405
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
坂井 悦郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (90126277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大場 陽子 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (50223938)
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Keywords | 混合セメント / 水和反応解析 / 高炉スラグ / フライアッシュ / 低熱ポルトランドセメント / アルミネート相 / 相組成 / 鉱物組成 |
Research Abstract |
本研究は,環境負荷低減対策やアルカリ骨材反応対策として重要となる混合セメントの材料設計手法を,それらの水和反応解析と硬化体の相組成モデルに基づいて確立することを目的としている。特に,その基本となる反応機構の複雑な混合セメントの水和反応機構の解明も目的としている.また,既に明らかにしている流動性への混合材の影響などと関連させ統合的な混合セメントの材料設計手法の確立を目指している。本年度は汎用セメントとして、廃棄物処理量の増大に伴いポルトランドセメントの組成が将来変化することを想定し、アルミネート相が増加したセメントにおける反応と流動性に及ぼすセッコウ添加の影響を検討した。また、混合セメントにおいては、高炉セメント、フライアッシュセメントおよび低熱ボルトランドセメントにフライアッシュを混合した際の水和反応解析を行った。アルミネート相の増加したセメントにおいては、流動性の制御の観点から、セッコウ量を増加することが重要であり、半水セッコウの比率も制御することが必要であることが明らかになった。特にセッコウ量を増加させて、半水化率が増加した場合には、偽凝結を生じ、流動性の観点のみならず、水和反応の観点からも好ましくないことを明らかにした。また、高炉セメントの水和反応解析では、養生温度の影響を検討した。30℃養生の場合には、高炉スラグの反応は初期では促進されるが、長期では抑制され、20℃の場合と同様に高炉スラグの反応率はエーライトに比べて半分程度の値を示した。水中養生と湿潤養生で、高炉セメントの反応は同様な傾向を示した。ビーライトの反応は高炉スラグの混和により遅延した。また、フライアッシュの初期の反応は、ガラス化率に影響されるが、長期では、ほぼ同様の反応率を示した。フライアッシュの添加は、ビーライトの反応を抑制し、温度の高いほどその傾向が著しいことを明らかにした。なお、水和反応解析による硬化体の相組成モデルの基本となるセメントの鉱物組成をどのように決定するかが問題となるが、粉末X線回折リートベルト法や顕微鏡ポイントカウント法さらには、各種の計算手法について検討を行ったが、本年度は結論を得るにはいたらなかった。今後は、水和物の組成や結合水量および密度を併せて検討を行い、相組成モデルの提案を行う予定である。
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Research Products
(6 results)