2006 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリートのスケーリング抵抗性の評価と我が国における試験方法の確立に関する研究
Project/Area Number |
17560411
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Research Institution | Hachinohe Institute of Technology |
Principal Investigator |
庄谷 征美 八戸工業大学, 工学部, 教授 (80006684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
月永 洋一 八戸工業大学, 工学部, 教授 (60124898)
阿波 稔 八戸工業大学, 工学部, 助教授 (10295959)
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Keywords | 土木材料 / コンクリート / 凍害 / スケーリング / 耐久性評価 |
Research Abstract |
コンクリートの表層劣化であるスケーリングは、塩化物の作用によって著しく促進され、最近において凍結防止剤の散布量が増加したことから、道路に付帯するコンクリート部材などにスケーリングの発生が急増し、これまで目立たなかった凍害の形態として注目される。 現在、わが国において、コンクリートの耐凍害性の評価は、供試体の凍結融解試験による相対動弾性係数を指標として行われている。相対動弾性係数は組織の緩みの指標として位置づけられ、ひび割れや崩壊を対象とした評価において有効であるが、表層コンクリートがフレーク状に剥離するスケーリングを相対動弾性係数で評価することは困難である。 本研究は以上の点から、わが国における凍結防止剤作用下のコンクリートのスケーリング抵抗性の評価手法および試験方法を確立・提案することを目的とする。得られた結果の概要を以下に述べる。 1.水セメント比を3水準に変化させたコンクリート供試体を作成し、ASTM C 672法(試験面:220×220mm)に準拠した湛水法およびRILEM CDF法(試験面:150×150mm)に準拠した底面浸漬法の2種類の条件によりスケーリング試験方法の比較を行った。試験溶液は、何れもNaCl3%水溶液とした。その結果、各試験方法に準じた供試体(試験面)寸法の場合、水セメン比の増加に伴いRILEM法に比べASTM法のスケーリング量が増加する傾向にあることを確認した。水セメント比が55%のコンクリートでは、その比率が1:2であった。しかしながら、試験面の寸法を同一(220×220mm)にした場合、何れの水セメント比においても試験方法の違いにより発生したスケーリング量の比率は1:3となった。 2.スケーリングの発生は、打ち込み方向の不均質性に起因して、採用する試験面によって異なり、打設上面>打設底面という関係を示す。 3.各スケーリング試験方法の違いによる供試体表面の温度変化を評価した。 4.家庭用冷蔵庫を用いASTM法に準拠した簡易スケーリング試験を実施した。その結果、簡易法においても通常のASTM法とほぼ同様の傾向が得られることを確認した。今後さらに詳細な検討を行う予定である。 5.水セメント比を3水準に変化させたコンクリート供試体を作成・設置し、八戸市内において暴露試験を開始した。
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Research Products
(6 results)