2005 Fiscal Year Annual Research Report
道路橋支承部から放射される衝撃音の発生機構の解明と低周波音低減対策工法の効果比較
Project/Area Number |
17560422
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
杉山 俊幸 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (50143954)
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Keywords | 低周波音 / 道路橋 / 橋梁振動 / 伸縮装置 / 支承 |
Research Abstract |
平成17年9月上旬に磐越自動車道八丁目橋(5径間連続鋼製I桁橋)において、伸縮装置部および支承部に、設備備品費で購入したデジタルHFマイクロスコープを設置し、車両通過時にこれらの部位がどのような挙動をしているのかを実測した。橋梁を通過する車種の特定はできたものの、その重量と走行速度については計測不可能であったため、現在、車両重量と走行速度を適切に仮定し、支承部の移動量と車両重量および走行速度との関係を分析している。また、同時に計測した低周波音・衝撃音の卓越周波数との関係についても分析を行っている。 これと並行して、走行車両が伸縮装置部を通過する際にその段差により跳ね上がった後落下するということを想定し、車両が主桁に与える衝撃的な影響等を「前輪および後輪から橋面に作用する荷重を伸縮装置部通過時のみ係数倍する」としてモデル化を行い、これまで開発してきている有限要素法をベースにした低周波音解析プログラムに組み込むことを試みた。その結果、この解析手法を用いると、車両走行により放射される低周波音の音圧レベルが数dB増大することが明らかとなった。 また、支間長に比べて幅員の大きい道路橋では、ねじれ振動(橋面の3次元的な挙動)が低周波音の音圧レベルに及ぼす影響を考慮する必要があることから、道路橋から放射される低周波音を3次元FEM解析を用いて算出するプログラムの構築に努めた。このプログラムの精度に関しては、現時点において、平成14年9月上旬に低周波音の実測が行なわれた東海地区に架かる高架橋の挙動をほぼ再現できる段階にまで到達している。
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