2006 Fiscal Year Annual Research Report
ランダムトラバースホイールトラッキング試験機による床版+防水工+舗装の耐久性評価
Project/Area Number |
17560424
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
松井 繁之 大阪工業大学, 八幡工学実験場, 教授 (70029271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 弘志 大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (70283728)
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Keywords | 道路橋 / 床版 / 防水工 / 舗装 / 三位一体 / ランダムトラバースホイールトラッキング試験 / 耐久性 / 回転せん断疲労試験 |
Research Abstract |
高耐久性のある床版においても表面を無防備にしておくと、アスファルト舗装に浸入した雨水が床版コンクリートを早期に骨材化現象を起こさせ、疲労破壊する.このため、現行の道路橋示方書で、床版と舗装の間に防水工を設置ることを義務付けた.しかし現在まで、大きな集中荷重である輪荷重の繰り返し載荷に耐える防水工はまだ開発途上にある.また、防水工自身の防水性があっても床版や舗装との間の接着性が弱いと、早期に舗装の流動化を引き起こしたり、床版中のひび割れの動きによって疲労破壊してしまう.道路橋床版専用の防水工の開発が急がれるとともに、床版+防水工+舗装の三位一体の疲労耐久性の評価法の確立が切望されている。 本研究者らは輪荷重のエッジで発生するせん断力の繰り返しによる舗装の流動化を評価する方法として、すでに回転せん断疲労試験機と、舗装の耐久性を調べる新しい方式のホイールトラッキング試験機を開発している。これらを用いて、これまでに開発されて有望視されている防水工と舗装との接着疲労強度について比較検討して、道路橋床版用への活用性を評価し、さらに、合理的な防水工の評価法を確立するものである. 研究成果として、まず、開発したRWTの横移動が与えた確率分布どおりの動きをするか否か、試験時の温度と舗装の流動性の関係、計測方法について試験条件を決める予備試験を実施した.初期の目標どおりの動きをすること、試験時温度は50℃で舗装が適度に動き、防水層の床版あるいは舗装間の接着性が評価できることを検証した. その後、高機能の塗布系、あるいは、シート系に着目して、『床版+防水工+舗装』の積層モデルに対してRTVWT試験を実施した.結果は高機能防水工と呼ばれるものの高い耐舗装流動抵抗性が評価できた.この抵抗性の高いウレタン防水は道路橋のみならず、飛行場の滑走路や誘導路にも適用できることも従来品との比較の実験を行ない、検証できた. さらに、最近疲労が問題になっている鋼床版の高耐久化を、その上にコンクリートを打設することによって達成できることを過去の研究で示したが、この構造においても表面コンクリートへの水の浸入を遮断するため、やはり舗装との間に防水工を施すことが必要となる.この合成鋼床版の一つして繊維補強した特殊モルタルコンクリート(ECC)を使用したものを対象に、舗装の流動性を調べた.結果として、ECCは普通コンクリートと大きな差異がないことが分かった. 以上の研究成果から、本研究で用いたランダムトラバースホイールトラッキング試験機ならびに回転せん断疲労試験によって、床版+防水工+舗装の三位一体の耐久性評価が適切に行えることを証明し、今後の標準試験方法として有用であることを結論とした.
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Research Products
(4 results)