2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560433
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
年縄 巧 明星大学, 理工学部, 教授 (00188749)
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Keywords | 地震危険度評価 / 地盤の振動特性 / 建物の振動特性 / 共振 / 常時微動 |
Research Abstract |
堆積平野や堆積盆地上では,地震動が増幅され,継続時間が延長され,その結果地震被害を大きくする場合があることが,地震観測,数値解析,過去の地震被害などで指摘されている.本研究では,常時微動を用いて人口の密集する市街地における沖積層の地盤の固有周期の推走,その上に建設されている構造物の固有周期を調査し,地震危険度マップを作成することを目的としている. 本研究において行った事は以下の通りである. <市街地における常時微動観測> 人口密集地域である甲府市中心部において測点間隔50m程度で常時微動観測を行った.その結果,地盤の卓越周期は,北から南へ行くに従い長くなる傾向があり,甲府駅北部では0.2〜0.4秒程度と比較的短く,甲府駅南部では0.5秒程度以上になる地域がある事がわかった. <対象地域の建築物の固有周期の実測> 建物の軒高さと構造種別から建築物の固有周期を推定する簡便式がある.この簡便式の妥当性を調べるために甲府駅中心部の27棟の建築物において常時微動測定を行った.その結果,ぱらつきはあるものの,簡便式は実測値の±0.1秒範囲にあり,簡便式を対象地域において使用可能であると判断した. <対象地域の建築物の階数・構造種別の調査> 対象地域を踏査して,9520棟の建築物の階数・構造種別の調査を行った.その結果,7割が木造2階建てであり,残りはRC(SRC)ないし,Sである事がわかった. <地震危険度マップの作成> これまでに得られたデータ(地盤特性データ,建物階数データ,建物構造データ)を総合して,建物と地盤の振動の共振という視点から対象地域の地震危険度マップを作成した.また,強震時には建物の固有周期が長くなる事を考慮したマップも作成した.その結果,対象地域南部において地震危険度が相対的に大きくなる地域がある事がわかった.この事は過去の地震被害の分布とも調和的な結果である.
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Research Products
(1 results)