2006 Fiscal Year Annual Research Report
河川の浸透・越水を考慮した堤防の進行性破壊現象の解明とその予測
Project/Area Number |
17560441
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渦岡 良介 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (40333306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仙頭 紀明 東北大学, 大学院工学研究科, 助手 (40333835)
泉 典洋 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (10260530)
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Keywords | 地盤工学 / 国土保全 / 洪水 / 減災 / 防災 / 堤防 / 浸透 / 進行性破壊 |
Research Abstract |
1.実際の堤防土の浸水せん断試験および不飽和・飽和浸透特性の調査(担当者:仙頭紀明、渦岡良介) 本試験は、堤体内の土要素を対象として、一般的な応力状態下で浸水し、不飽和状態から飽和状態に移行する際の土要素の変形挙動を調べることを目的としている。昨年度に引き続き、宮城県鳴瀬川堤防の堤防土を用いて浸水試験および不飽和・飽和浸透特性の調査を実施した。昨年度確立した実験方法に基づいて、今年度はせん断応力比を変化させたケースを実施した。一連の試験の結果、実際の堤防土の応力状態において、大きな初期せん断応力が作用している場合には、浸水時に大きなせん断ひずみが発生することがわかった。なお、浸水時には圧縮の体積ひずみも発生するが、この体積ひずみの変化についてはサクション載荷時に発生した圧縮ひずみが継続している可能性もあることから、特にせん断ひずみの発生に着目した。この結果は、次年度以降に実施する不飽和土の構成モデルの構築に利用する。 2.多孔質・有限変形理論に基づく土・水・空気連成解析(担当者:渦岡良介) 多孔質・有限変形理論に基づいた3相系支配方程式の有限要素解析プログラムを構築した。土骨格の加速度に対する間隙流体の相対加速度は十分に小さいと仮定し、種々の構成式を用いて土骨格の配置を基準とした支配方程式(混合体の運動量保存則・間隙水の質量保存則・間隙空気の質量保存則)を誘導した。現配置における弱形式をNewton法で解くため、基準配置における弱形式の線形化を行った後、現配置における線形化された弱形式を誘導した。解析プログラムの検証のため、土骨格に超弾性モデル(圧縮性neo-Hookean)を適用し、比較的単純な境界・初期条件のもとでの解析解や実験結果と比較を通じて、不飽和地盤の自重・圧密・浸透・動的解析手法の検証を行った。
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