2006 Fiscal Year Annual Research Report
都市NATMトンネル低土被り部における垂直縫地工法の合理的設計法の提案
Project/Area Number |
17560447
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
西村 和夫 首都大学東京, 大学院都市環境科学研究科, 教授 (70128578)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土門 剛 首都大学東京, 大学院都市環境科学研究科, 助手 (50237179)
|
Keywords | トンネル / 垂直縫地 / 地表面沈下 / 模型実験 / 補助工法 |
Research Abstract |
都市NATMトンネルの低土被り部では,環境対策から掘削に先行して垂直縫地工による非開削施工が行われることが多い.しかし,従来の垂直縫地工法では,(1)仮想滑線を横切る補強鉄筋のせん断抵抗を抑止力として評価するが,現場計測結果によれば,その実挙動は現在の設計モデルの概念と異なる,(2)補強範囲が広いため,用地費も含めてコストと施工性に改善の必要がある,(3)すべり抑止に主眼を置いているので打設がトンネル上半までとなり,トンネル側壁部の側方変位の抑制に寄与しない,などの問題点がある. これらを踏まえ,模型実験,数値解析,現場データに基づき,下部側壁部までの打設による側方変位抑制の打設パターンの提案,およびコスト縮減のための根入れによる施工幅縮小の提案,それらを統合した補強鉄筋の軸力に着目した実挙動に則した設計モデルの提案を目的として研究を遂行した. 検討の結果,以下を明らかにした. 1.垂直縫地工法によるトンネルへの作用荷重軽減効果を高めるため,補強鉄筋をトンネル側部において,トンネル底面レベル以下まで補強するパターンを提案し,実験によってその側方変位抑制効果およびせん断ひずみ抑制効果を確認した. 2.トンネル形状および寸法の異なる二種類のトンネル模型を用いた実験を行い,その結果から垂直縫地ボルトの作用効果およびスケール効果の影響を明らかにした. 3.補強鉄筋の打設ピッチは,解析的に検討して細かく設定することは施工上非効率となることが予想される.したがって,打設パターンについてはパターン設計を行うことが適切である. 4.補強効果の力学的評価は,補強鉄筋それぞれをモデル化する方法ではなく,トンネル補助工法の効果の評価に用いられることがある等価モデルによることが適切である.
|
Research Products
(1 results)