2006 Fiscal Year Annual Research Report
変動流体力場における多層石礫フィルター工法の水理・環境機能評価と設計技術の確立
Project/Area Number |
17560461
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
前野 詩朗 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (20157150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道奥 康治 神戸大学, 工学部, 教授 (40127303)
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Keywords | 自然石 / 護床工 / フィルター / 水質浄化機能 / 水制 / 連結石 |
Research Abstract |
石礫で構築される構造物は空隙を有する多孔質体であるため,間隙を流水が通過することによる曝気効果も期待できるのみならず景観面においても優れた構造物と言える.本研究では,多孔質水理構造物として捨石堰や河床保護工を取り上げ,水理・環境機能を実験的かつ理論的に検討した.研究成果の概要は以下のようである. 1.多層石礫フィルターは河床保護工のみならず護岸の裏込め土砂流出防止策として効果があることが明らかにされているが,実際の適用に関しては,最上層の石礫が破壊されない,すなわち掃流されないという設計条件を課すため石礫径を相当大きくする必要がある.本研究では,最上層の石礫を小さくしても掃流抵抗を大きく取れる工法として石礫を連結することを提案し,連結石礫の流体力評価を行うとともに破壊防止効果を示した. 2.水制は水の流れを制御し河岸を保護するのみならず,澪筋を安定させる効果があるが,一方で水制周辺部の局所洗掘が水工学上の課題となっている.本研究では,自然石を用いた水制の水理機能を検討した.その結果,捨石で構築される透過型の水制は,不透過型の水制よりも,水制周辺部における急変流の強度を低下させ,水制周辺の局所洗掘を減少させる効果を有することを明らかにした. 3.透過型の水理構造物周辺流れを精度よく再現できる数値モデルを構築することを目的として捨石堰を対象として実用的な数値シミュレーションモデルを構築した. 4.捨石堰の環境水理機能の一つとして,水質浄化機能を検討した結果,捨石堰そのものの浄化機能を確認した.また,捨石堰にRDF炭化物をサンドイッチ状に挟むことにより水質浄化機能の向上が見込まれることを確認した.
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Research Products
(6 results)