2006 Fiscal Year Annual Research Report
資源及び廃棄物に対する世代会計の適用と循環型社会推進施策の評価及び検討
Project/Area Number |
17560486
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
森杉 雅史 名城大学, 都市情報学部, 助教授 (00314039)
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Keywords | 廃棄物の再資源化 / システム工学 / 環境経済学 / 動学的価値 / 実質生産性と市場価格 / 価格バイアス / 資源配分上の非効率 / カスケードリサイクル |
Research Abstract |
リサイクル資源は、明示的に質の劣化構造を考えなくとも、最終処分するよりリサイクルする方が限界的な費用は高いことで、動学的に最適な資源配分状態の下では、後世代(資源は製品の生産⇒流通⇒消費⇒1次排出の1サイクルを経ることで1世代進むと考える)になるほどその価値は低くなる。実際には消費財は生産要素原価の積み上げによって価格形成されるため、バージン資源やそれを用いた商品価格より割高になる。一般にこの事実は、リサイクルが進まない大きな要因として取り上げられ、またその過程において必要な追加投入資源やエネルギーが社会的には資源生産性や経済性の観点で非効率となる。これが本研究で掲げる問題意識の「動学的価値付けの欠如」である。一方で近年における循環型社会形成に因んだ法の急速な整備・施行は上記の問題が解消しているかのように見えるが、むしろリサイクル過剰状態により供給業者が経営破綻に陥る、総じて投入する資源やエネルギーが増加し効率が低下する、といった問題も指摘されている。この問題も本来の市場機能に排他的な政治配慮によって促されたものであり、いずれにせよ1次廃棄物やバージン資源の実質的な生産性と市場価格の乖離分を定量化し、その影響を客観的に評価することが肝要である。 今年度の本研究では、昨年度作成した紙資源カスケードリサイクルモデルシステムの対象地域を愛知県に限定し、自地域内及び外部地域における流出入量・処理量の実態調査から、より詳細な収集運搬輸送推計モデルを構築し、交通工学的な手法を合わせて、リサイクルパス時での必要資源・エネルギー・費用の計上を行った。本論の問題意識に即せば、古紙に対してバージンパルプの市場価格は実質的な価値と比較して低く形成されやすく、また近年では中国への古紙輸出が顕在化するなどそれらの開きが縮小傾向にあり、より国内におけるリサイクルが自発的に行われにくい環境となりつつある。このような状態は、紙製品製造時においてバージンパルプと古紙パルプの投入配分比率を歪めることとなる。そのため、上術のシミュレーションは価格と生産技術が固定的に与えられた場合、各古紙及びバージンパルプから紙製品への投入品種配分率を操作できると仮定して、潜在的な再資源化量を推計するものであるが、最大時には1.14倍程度増加することが可能との結果を得た。
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Research Products
(6 results)