Research Abstract |
現在,特許申請中であるため,以下の内容の公表を差し控えさせて頂きたく,要望書を添付いたします。 1.フォトクロミック材料の選定 紫外線線量計としてフォトクロミック化合物を用いるとき求められる具備要件としては,(1)単位紫外線照射線量あたりの吸光度の変化量が大きい(2)紫外線照射線量と吸光度との間に直線関係がある(3)ダイナミックレンジが広い(4)可視光の照射で発消色しないなどが挙げられる。本研究ではスピロピラン類,ジアリールエテン類,ビオロゲン類およびロイコ染料類など33種類のフォトクロミック化合物を17種類の溶媒に溶解した溶液に低圧・中圧紫外線を照射し,吸光度の変化量から発色性を評価した。また,多くのフォトクロミック化合物で可視光による消色反応が認められたため,紫外線照射後に24時間可視光を照射してから吸光度を測定し,消色性について評価した。その結果,発色に伴う吸光度の変化量が大きく,消色速度が遅いフォトクロミック材料としてBLMB(10-benzoyl-N,N,N',N'-tetramethyl-10H-Pheno-thiazine-3,7-diamine)が,また,BLMBを溶解する溶媒としてはtoluene,2-butanone,2-propanolが適していることが明らかとなった。BLMBの吸光度と紫外線照射線量との間には低線量域(5mJ/cm^2)から高線量域(120mJ/cm^2)まで高い直線関係が認められ,また,紫外線照射以外の要因による発色あるいは消色は認められなかった。 2.マイクロカプセル化 カプセル膜材としてゼラチン,尿素樹脂,メラミン樹脂,ウレタン樹脂,ポリウレア樹脂を候補とした。カプセルはいずれも乳化攪拌法で調製した。候補カプセル膜材の紫外領域における吸光度を調べたところゼラチンおよび尿素樹脂の値が低かった。また,カプセルに内包する溶液としては,tolueneを溶媒とすると乳化攪拌法で効率良く直径5μmのマイクロカプセルを成形できることを見出した。
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