2005 Fiscal Year Annual Research Report
産業廃棄物の埋立処分に伴う有害物の流出特性とその制御に関する研究
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17560491
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
柳瀬 龍二 福岡大学, 工学部, 助教授 (20131849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松藤 康司 福岡大学, 工学部, 教授 (40078663)
平野 文昭 福岡大学, 工学部, 助教授 (50341409)
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Keywords | 産業廃棄物 / 最終処分場 / 有害物 / 浸出水 / 溶出試験 / 埋立処分 / 環境対応 |
Research Abstract |
本年度は3つの研究テーマを(社)全国産業廃棄物連合会の協力を得て実施し、これまでの研究成果を以下にまとめた。 (1)アンケートによる産業廃棄物最終処分場に関する実態調査 産業廃棄物を受入れている最終処分業者に対して、産業廃棄物の受入れ状況、産業廃棄物の溶出試験結果、浸出水・浸透水等の分析結果について、全国産業廃棄物連合会と協力し、2回アンケートを実施した。これまでの進捗状況は、データーの入力までに留まっており、アンケートの解析が次年度に実施できる状況となっている。 (2)産業廃棄物の混合埋立を想定した溶出試験 溶出試験は条件を設定する際に、産業廃棄物の中で最終処分量が多い廃棄物や有害物含有量が多い廃棄物及び、有害物質等の流出を促進又は抑制する可能性のある産業廃棄物として、燃え殻,シュレッダーダスト,汚泥,ばい塵を選定した。 溶出試験は4つの産業廃棄物を用いて、2種混合(混合割合を0:10,3:7,5:5,7:3,10:0)による溶出試験を行った。シュレッダーダストにばいじんを混合し溶出させると、溶出液のpHが11以上となり、シュレッダーダスト中のPbやZn等が錯体等を形成し再溶出する傾向が見られ、混合によるPb等の有害物の溶出を促進させる傾向にあった。一方、同じ高アルカリを示す燃え殻と混合した場合、有害物質の溶出が抑制される結果となり、産業廃棄物の組合せや混合割合によって、有害物や有機物等の流出を促進させるケースと抑制させるケースを確認した。 (3)産業廃棄物2種混合による埋立実験 2種類の産業廃棄物の組合せによる溶出試験結果を受け、産業廃棄物の混合埋立を想定したカラム実験を行い、浸出水の水質に与えるプラス面(抑制効果)とマイナス面(促進効果)について検討した。汚泥又はシュレッダーダストに燃え殻を混合した場合、有機物や無機塩類及び重金属類は廃棄物の混合量による希釈効果や、燃え殻の性質(アルカリ性や吸着能等)により、浸出水水質の評価はプラスの評価となった。しかし、TCやCuでは一部にマイナスの面もあった。シュレッダーダストに汚泥を混合した場合は、両者間でマイナスの評価が多くなる傾向にあった。更に、燃え殻にシュレッダーダストを混合するよりも、汚泥を混合した場合マイナス面の方が多く現れた。 2種混合による埋立実験から浸出水に与える効果として、燃え殻は他の産業廃棄物との混合で、プラスに評価される傾向にあったが、汚泥はどの産業廃棄物との混合においても、マイナス評価の可能性が高いことを確認した。
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Research Products
(2 results)