2006 Fiscal Year Annual Research Report
高強度コンクリートの構造体における強度発現性と強度管理手法に関する研究
Project/Area Number |
17560496
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
桝田 吉弘 宇都宮大学, 工学部, 教授 (30272214)
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Keywords | 高強度コンクリート / 強度発現 / 低熱ポルトランドセメント / シリカフューム / ポテンシャル強度 / 高温履歴 |
Research Abstract |
設計基準強度が120N/mm^2を超える高強度コンクリートは,結合材としてボルトランドセメントだけでなく,シリカフユームなどの無機粉末を混和材として添加し,水結合材比が25〜15%の低水結合材比コンクリートとなる。コンクリートは,一般に初期材齢で高温履歴を受けると初期強度の発現は大きいが,長期強度の発現は停滞し,やがて高温履歴を受けていない標準養生したコンクリートの圧縮強度に追い越される。しかし,水結合材比が20%以下の低水結合材比コンクリートは,初期材齢に高温履歴を受けると著しく大きな強度発現を示し,長期材齢においても高温履歴を受けていない標準養生したコンクリートの圧縮強度は追いつかないという状況が生じることが指摘された。 本研究は,このような設計基準強度が120N/mm^2を超える,シリカフユームを用いた水結合材比が20%以下の低水結合材比コンクリートの強度発現のメカニズムを明らかにすることを目的とする。本研究の結果,以下のことが明らかになった。 (1)水結合材比が17%を下回り,最高温度が60℃を超える初期高温履歴を受けたコンクリートの圧縮強度は,材齢91日において標準養生した供試体の圧縮強度を上回ることが確認できた。 (2)水結合材比が17%で,最高温度が60℃の初期高温履歴を受けたコンクリートのマトリクス部分を構成するモルタルは,その細孔径分布,結合水量,水酸化カルシウム消費量は,初期高温履歴を受けていない場合の材齢91日の値とほぼ同じであった。 (3)水結合材比が23%以下の範囲で遠心成形と振動成形とを比較すると,細孔(直径0.03〜30μm)の減少よりも気泡(直径30〜1000μm)の減少がより力学性能に影響を及ぼしていることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)