2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560497
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
横山 裕 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (00231689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 英哲 東北工業大学, 建築学科, 教授 (80108240)
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Keywords | ペット / 床 / すべり / すべり試験機 / 評価指標 / 評価方法 / 住宅 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に改良したすべり試験機ONO・PPSMを用いてすべりの測定方法を確立するとともに、すべりの許容値を求め、ペットのすべりからみた床の評価方法を提示した。なお、対象とするペットは、実際に住宅などにおけるすべりに起因する事故が多く、より早急な対策が必要な犬とした。 (1)犬のすべりを表す指標の抽出 すべり性状の異なる16種の床材を試料床として選定したうえで、試料床上で被験犬に所定の姿勢で静止させ、試料床を徐々に傾かせていったときに被験犬がすべりはじめる角度を求めた。測定には、犬種年齢,体重などが異なる16頭の被験犬を用い、被験犬によりすべりはじめる角度からみた試料床の序列に大きな差がないことを確認したうえで、その平均を求めすべりを表す指標とした。 (2)すべりの測定方法の確立 (1)で実験に用いた試料床のすべりをONO・PPSMで測定した。測定は犬の足裏を置換して試作した様々なすべり片を用いて行い、測定結果と(1)で抽出した犬のすべりを表す指標との関係を検討した。その結果、犬の足裏の肉球のやわらかさを置換した発泡ゴムに麻布をかぶせたすべり片でよい対応が得られることが明らかとなった。よって、ONO・PPSMを使用し、このすべり片を用いて測定する方法を、犬からみたすべりの妥当な測定方法として設定した。 (3)すべりの境界値および評価方法の提示 すべり性状の異なる約20種の試料床を荷重測定装置上に設置し、試料床上で犬に所定の動作をさせ、その様子をビデオに記録するとともに犬が床に与える荷重を測定した。動作や荷重の分析結果から、それぞれの試料床ごとにすべりが発生しているか、または床のすべりやすさの影響で通常の動作ができないでいるかを判定し、この判定結果と試料床のすべりの測定結果との関係から、安全に動作ができるすべりの境界値を求めた。最後に、(2)で確立した測定方法と(3)で求めた境界値とをあわせて、すべりの評価方法として提示した。
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