2005 Fiscal Year Annual Research Report
高強度材料を用いた鉄筋コンクリート柱部材のせん断ひび割れ性状とせん断伝達特性
Project/Area Number |
17560499
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
篠原 保二 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (50196408)
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Keywords | 高強度コンクリート / 高強度横補強筋 / せん断ひび割れ / せん断伝達特性 / 拘束効果 / 横方向プレストレス |
Research Abstract |
1.普通強度コンクリートのひび割れ面におけるせん断挙動に及ぼす拘束力の影響 今まで行ってきた,ひび割れ幅に応じた拘束力がひび割れ面に作用するプログラム制御せん断実験より得られた基礎データを,既往の力学モデルや高強度コンクリートのせん断挙動と比較検討するために整理した。特に,1)二次的なひび割れの発生と進展挙動,2)鉄筋比(0から1.6%),3)降伏応力(345,1275N/mm^2) 4)抜け出し量等に注目し,ひび割れ幅と拘束力がせん断耐力に及ぼす影響について検討を行った。 2.高強度コンクリートのひび割れ面におけるせん断伝達機構に関する構成則 高強度コンクリートのひび割れ面におけるせん断実験に基づいて,既往のせん断伝達モデルの修正と検証を行った。高強度コンクリートの場合,マトリクス強度が高くなり,粗骨材を貫通するひび割れ面が形成されるため,接触面積有効率と接触面密度関数を修正する必要があるが,適切な小さな骨材寸法を用いることによって,簡便に高強度コンクリートのせん断伝達挙動を近似することができることを確認した。 3.横方向プレストレスを導入した高強度RC柱部材の曲げせん断実験 横方向プレストレスは能動的拘束効果により,せん断ひび割れ耐力を上昇させると共に,せん断ひび割れ幅が水平方向に分散し,個々のひび割れ幅が大幅に低減できるため,せん断ひび割れ発生後のせん断抵抗力が増大することを明らかにしてきた。せん断剛性はひび割れ幅の拡大に伴って指数関数的に減少することから,ひび割れを分散し,各々のひび割れ幅を抑制したほうがせん断剛性の低下は少なく,部材としての一体性を保持するのに有利である。そこで,コンクリート強度に比例した横方向プレストレスを導入した高強度コンクリート柱部材の曲げせん断実験を行い,高強度コンクリートに対しても能動的拘束効果の有効性を確認した。
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Research Products
(4 results)