2006 Fiscal Year Annual Research Report
耐震コア建物との制振連結による住宅密集地の地震防災性能向上法
Project/Area Number |
17560504
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
辻 聖晃 京都大学, 工学研究科, 助教授 (00243121)
|
Keywords | 耐震補強 / 制振連結 / 木造住宅 / 都市防災 / 振動台実験 |
Research Abstract |
本研究の目的は,(1)構造種別や規模の格段に異なる複数の建築物を粘性ダンパーなどのエネルギー吸収性能に優れた制振部材で連結したときの基本的な地震応答性状を明らかにして,(2)大都市周辺にみられる住宅密集地に対して,街区内に耐震性能が格段に優れた「耐震コア」として機能する建築物を建設し,その耐震コア建物と街区内の既存建物を制振部材で相互に連結することにより,街区全体の地震防災性能を向上させる方法を提案することにある. 平成18年度の研究成果は以下のとおりである. (I)上階がセットバックしていたりL字型の平面形状を持つなど,振動特性上望ましくないような形状を有する建築物に対して,いったん建物を整形な複数の部分に分割し,これを再度ダンパーで連結することにより建物の耐震性能を向上させる「縦分割連結制震構法」を提案し,その応答低減効果の基本的特性を明らかにした. (II)耐震コアとなる建物ないしは構築物(独立壁など)と既存建物の両者が所定の耐震性能(変位制約条件)を満足するように,耐震コアの剛性と,既存建物と耐震コアを連結する粘性ダンパーの減衰係数を,逆問題型のアプローチにより直接的に見出す手法を提案した.提案した手法は次の2段階からなる.[Step1]耐震コアが剛体であると仮定して,既存建物が所定の耐震性能を有するように,連結ダンパーの設置位置と減衰係数を決定する.[Step2]耐震コアが既存建物とは連結されていないと仮定して,耐震コアが所定の耐震性能を有するように,耐震コアの剛性を決定する.なお,この手法の妥当性は,既存建物と耐震コアの要求耐震性能に格段に差がある場合に保証される.
|
Research Products
(5 results)