2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560510
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
三浦 賢治 広島大学, 大学院工学研究科, 教授 (40087284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神野 達夫 広島大学, 大学院工学研究科, 助手 (80363026)
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Keywords | 沖積平野 / 地震応答特性 / 地下構造モデル / 有限要素法 |
Research Abstract |
呉市市街地を対象に深部までの詳細な地下構造モデルを構築し,2001年芸予地震時の地盤応答特性について検討を行った。また,三原市,および呉市の地下構造モデルをもとに,これらを単純化したモデルを作成し,その傾斜層の角度や地盤物性値を変化させた数値シミュレーションを行なった。このモデルは,平行成層構造から傾斜層へ移行し,それに伴い軟弱地盤の層厚が増し,再び平行成層構造になるモデル,U字谷,あるいはV字谷を有するモデルである。以下に得られた知見をまとめる。 (1)微動アレー観測により深部地下構造を推定した。基盤までの深さは平野中部において急激に深くなる。 (2)FEM解析の結果,地盤応答値は地下構造が急変する地域で大きくなり,1次元計算の結果を上回る。 (3)地盤応答を線形と仮定した場合,海側の地域の地盤応答値は山側の地域に比べ,周期0.5〜1秒で5倍,1〜2秒で3〜4倍程度大きくなる。 (4)傾斜層を有する地下構造では,傾斜が始まる付近(100〜200mの範囲内)で2次元的な波動伝播の影響が顕著に現れる。この影響は傾斜の角度によって異なる。 (5)傾斜層を有する地下構造では,傾斜が終わり,平行成層構造へ移行する領域でも2次元的な波動伝播の影響が顕著に現れる。この影響は,傾斜の角度が大きくなるほど,傾斜から離れた遠方まで及ぶ。 (6)V字谷を有する地下構造では,谷底の領域で2次元的な波動伝播の影響が大きくなり,この影響はV字谷の傾斜が急なほど顕著である。
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Research Products
(2 results)