2006 Fiscal Year Annual Research Report
連層鉄骨ブレースで補強したRC建物の三方向地震力下での耐震性能評価
Project/Area Number |
17560515
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
北山 和宏 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (70204922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 真司 首都大学東京, 都市環境科学研究科, リサーチアシスタント (60381456)
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Keywords | 鉄筋コンクリート / 耐震補強 / 耐震性能評価 / 三方向地震力 / 連層鉄骨ブレース / 全体曲げ破壊 / 浮き上がり回転 |
Research Abstract |
(1)連層鉄骨ブレースで補強したRC立体骨組に三方向力を静的載荷する実験 初年度の平面骨組実験の結果を参考にしながら、実物の約1/5に縮小したRC立体建物に連層鉄骨ブレースを設置した試験体1体を設計・作製し、二方向水平力および変動軸力を静的に載荷する実験を実施した。桁行方向(ブレース設置面)の軸組寸法は平面骨組試験体と同一としたが、連層鉄骨ブレースを設置しない北側構面は、重量軽減のため南側の連層鉄骨ブレースを含む中央1スパンに並列する1スパン門形フレームのみとした。張間方向は1スパン(スパン長さ:1660mm)とした。張間方向の一構面の第2層には耐震壁を設けたが、その下階は壁抜けとした。もう一構面は純フレームとした。実験は鉄骨ブレースが設置された桁行構面に引張りから圧縮まで変動する軸力を与えながら、二方向の水平力を載荷することによって行った。その載荷経路は一方の水平変位を保持した状態で他方の水平変位を増減させて、試験体頂部の描く軌跡が八の字形となるようにした。立体試験体のねじれを防止するために、桁行方向に取り付けた2基の水平ジャッキの荷重を適宜調整した。 実験では、三方向外力を受ける連層鉄骨ブレース補強建物の破壊経過を詳細に観察し、連層鉄骨ブレース脚部での全体曲げ破壊が生じるときの力学特性を調査した。下階壁抜け柱の挙動については今後、詳細に検討する予定である。 (2)ブレース補強したRC立体骨組の三方向静的載荷解析 連層鉄骨ブレースおよび直交する下階壁抜けフレームを有する立体建物の静的漸増載荷解析を行い、補強建物の基本的な力学特性を検討した。解析では基礎下部に地盤バネを設置して連層ブレースの浮き上がり回転破壊を再現した(この解析では全体曲げ破壊は対象としなかった)。水平力は桁行き方向、張間方向とも下階壁抜け柱が圧縮軸力を受ける方向に与えた。桁行方向加力時の下階壁抜け柱の圧縮軸力比は0.33であったのに対して、二方向加力時のそれは0.43に増大した、二方向加力時の下階壁抜け柱の負担圧縮軸力は層間部材角2%以降は一定に推移したが、隣接する鉄骨縦枠の負担軸力は増大し続けた。
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Research Products
(3 results)