2007 Fiscal Year Annual Research Report
媒質の不均質性を考慮した短周期強震動予測手法の開発と巨大海溝性地震への適用
Project/Area Number |
17560527
|
Research Institution | Research Institute of Shimizu Construction Co. |
Principal Investigator |
佐藤 智美 Research Institute of Shimizu Construction Co., 原子力施設技術センター, 主任研究員 (00393562)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川瀬 博 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (30311856)
|
Keywords | 強震動 / 海溝性地震 / 統計的グリーン関数法 / 環境負荷 / 宮城県沖地震 / 南海地震 / 距離減衰 / 建物被害 |
Research Abstract |
昨年度提案した散乱理論に基づく経時特性モデルを用いて算出される統計的グリーン関数の最大加速度と既往の距離減衰式との比較を行い、経時特性モデルの妥当性を検証した。さらに、この経時特性モデルと既往の経時特性モデルを用いて統計的グリーン関数法により想定宮城県沖地震の強震動予測を行い、経時特性モデルの違いにより予測結果(最大加速度)が大きく異なることを示した。また、想定南海地震の震源モデルのアスペリティ内にさらに不均質性を導入するという改良を行って、統計的グリーン関数法により予測波を推定した。そして、この予測波を用いて環境負荷とそれに対する耐震施策の与える影響について検討を行った。その結果、震源近傍が軟弱地盤となっている市町村を中心に、大破以上になりやすい建物を対象とした耐震補強推進対策を実施することが、安全性の向上のみならず環境負荷リスクの低減に効果的であることがわかった。さらに、これまでの予測波の対象は、S波部水平成分であったが、P波部とS波部の水平・上下3成分を考慮した統計的グリーン関数法に基づく強震動予測手法の構築を行った。新しい点は、近地項・中間項の影響導入、Hanks and WyssによるP波の震源スペクトルの導入、P波部とS波部両方への散乱理論に基づく経時特性モデルの導入である。1998年宮城県南部の地震の強震記録のシミュレーションにより、手法の妥当性の検証も行った。また、P波部とS波部の水平・上下3成分を考慮した統計的グリーン関数や予測波の検証用に、P波部、S波部それぞれの3成分距離減衰式(最大加速度、最大速度、加速度応答スペクトル)を作成した。
|
Research Products
(4 results)