2006 Fiscal Year Annual Research Report
雲量雲形に基づく標準昼光気象モデルの開発と気象衛星による太陽エネルギー量の評価
Project/Area Number |
17560530
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上谷 芳昭 京都大学, 工学研究科, 助教授 (00258302)
|
Keywords | 昼光照明 / 省エネルギー / 天空輝度分布 / 気象衛星 / 雲量 / 照明制御 / ビテオ測色法 / 相関色温度 |
Research Abstract |
本研究の目的は、以下の3点である。 (1)大気の物理気象学的要素の実測データをパラメータとして、天気・時刻・季節の変動を再現する昼光気象モデルを開発すること。 (2)申請者が開発した気象衛星画像による昼光気象データの準リアルタイムモデルに、雲量及び雲形をパラメータとして導入し、精度の向上を図ること。 (3)自然光を活用して快適な光環境を維持しつつ照明エネルギーを削減する環境共生建築のための昼光照明、すなわち「環境共生型昼光照明」を開発し、その精度と有用性を実証すること。 2年間に以下の研究を実施した。 (a)ビデオ測色法による地上観測:高精度・高階調のデジタルカメラに魚眼レンズをとりつけて5分毎に自動撮影し、ビデオ測色法により全天空の輝度分布および相関色温度分布に変換、雲量を自動判定するシステムを開発した。 (b)気象衛星画像解析による上空観測:静止気象衛星が1時間毎に撮影する可視・水蒸気・赤外画像を利用し、地上での照度の予測を行った。さらに、大気の物理気象学的要素(雲量、雲高、雲形、エアロゾル)をモデル化し、気象衛星画像からパラメータを同定して雲の三次元的分布を導いて、地上からの天空輝度分布を予測する方法を開発した。 (c)天気に応答する昼光照明制御システムの開発:ビデオ測色法により全天空の輝度分布を測定し、室内の昼光照度を申請者が開発したシミュレーションプログラムにより予測して、基準照度を満たす最小レベルに人工照明を調光するシステムを開発した。模型実験により実現可能性を実証し、年間シミュレーションで約6割の照明電力を削減できることを示した。 (d)気象衛星画像に応答する昼光照明制御システムの開発:上記(b)と(c)を組み合わせて、地上観測データや昼光センサーが無い場合でも、天気に応答する昼光照明制御を行い、省エネルギーおよび二酸化炭素削減を実現できることを示した。
|
Research Products
(6 results)