2007 Fiscal Year Annual Research Report
汚染物および二酸化炭素の植裁内での拡散・吸収のための乱流モデル作成に関する研究
Project/Area Number |
17560531
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平岡 久司 Kyoto University, 学術情報メディアセンター, 准教授 (80115922)
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Keywords | 植生 / LES / 拡散 / 乱流モデル / 汚染物 / 二酸化炭素 |
Research Abstract |
体積のある植生を有する流れ場の解析のための1方程式LES(Large Eddy Simulation)モデルを提案し、植生模型を有する開水路実験データとの比較により、1方程式LESモデルの検証を行った。 (1)基礎方程式(連続の式とNavier-Stokesの式)にhop-hat型のフィルターを掛けることにより、フィルターされたgrid-scaleの連続の式とNavier-Stokesの式を作った。そこにはsubgrid-scaleのReynolds stressと、葉面上での圧力と粘性応力による抗力項が生じた。抗力項はgrid-scaleの風速と葉面速度の相対速度を用いてモデル化された。(2)subgrid-scaleの乱流エネルギー式とsubgrid-scaleの粘性散逸率の方程式を基礎式から導出した。(3)subgrid-scaleの粘性散逸率の方程式に表れる葉面の影響項に関しては、他の項との次元解析から葉面の影響項は、直接にはsubgrid-scaleの粘性散逸率の方程式に影響を及ぼさないことが分かった。(4)subgrid-scaleの乱流エネルギー式に表れる抗力項(wake production term)は解析的に導出された。また、wake dissipation項と呼ばれる項は生じなかった。(5)SmagorinskyタイプのLESモデルでは、subgrid-scaleの乱流エネルギー式において、grid-scaleからのせん断による生成項と粘性散逸項が釣り合うと仮定して局所平衡を利用している。しかし、植生がある場合の局所平衡は、grid-scaleからのせん断による生成項とwake production term(生成項)とが粘性散逸項が釣り合うことになり、SmagorinskyタイプのLESモデルを作ることは困難になる。(6)1方程式LESモデルの計算結果は、清水らの植生模型を有する開水路実験と比較され、良い一致を示した。
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Research Products
(2 results)