Research Abstract |
本研究は,実在の高齢者福祉施設を対象として,特に空調系統,給湯系統に着目して,電力・ガス消費量や水使用量の系統的,連続的な測定を行うとともに,並行して主要室の温熱環境の測定や,各種設備機器の使用状況,入所者や職員の施設内での行動実態について,ヒアリングや観察などによって調査することにより,入所者の生活水準や介護レベルを維持した上で,エネルギー消費量の削減を可能とする施設運用や機器使用の方法について検討することを目的としている。 初年度は,これまで進めてきた対象施設における実測調査の結果について,より詳細な検討を行い,各施設の現状における問題点を抽出した。平成18年度は,その結果をふまえ,特に高齢者福祉施設の介護入浴に着目し,給水・給湯量に関する詳細な測定を,夏期,中間期,冬期に実施した。具体的な内容は以下のとおりである。 1)新たに広島県福山市の高齢者福祉施設(特別養護者人ホーム)を対象として,特に当該施設の浴室を複数箇所選定し,給水・給湯量や給水・給湯温度を連続的に測定するための機器を設置し,季節を変えて各1週間の詳細測定を行った。その際には調査員が立ち会い,介護入浴における介助者,高齢者の行為と湯の使用が対応するように配慮した。 2)1)に合わせて,施設職員である入浴介助者と実際に入浴する高齢者の双方に対してアンケート調査を実施し,入浴時における機器の使い方や現在の入浴方法における問題点等を抽出すると共に,1)との関連について検討を行った。 3)1),2)を受けて,対象施設における介護入浴時の湯の使用実態を明らかにすると共に,初年度で実施した広島県北の2施設における入浴に関する給水・給湯量やエネルギー消費量との比鋲を行った。
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