2007 Fiscal Year Annual Research Report
建築の長寿命化と地方都市の活性化のための閉鎖されたホテルの有効利用手法
Project/Area Number |
17560547
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
高井 宏之 Mie University, 大学院・工学研究科, 准教授 (00324541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 秀一 独立行政法人建築研究所, 住宅・都市研究グループ, 主任研究員 (10360463)
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Keywords | ホテル / 長寿命化 / 有効利用 / 再利用 / 用途変更 / コンバージョン / 遊休化 / 建替え |
Research Abstract |
昨年度先方の都合で実施できなかったヒアリング調査を2事例実施した。地域の高齢者をスタッフとして雇用した事例と、長らく遊休化していたがホテルとして再利用された事例である。これらを含めたホテル再利用8・用途変更8・遊休化3・更地4・建替え1の計24事例のヒアリング調査結果について、変化内容・変化要因・問題点・知恵(建築及び運営)の視点から総括を行った。 次に、上記、これまで行った日本ホテル年鑑データの分析、及び閉鎖ホテルの建物所有者等への郵送調査の結果を総合的に捉え、『既存ホテル』の有効利用方法について提案を作成した。「共通事項」としては、竣工後変化した都市間競争・交通ネットワーク・バジェットホテル出現などの当該立地や市場をとりまく社会環境の見極め、周辺敷地との関連付けての発想、事前情報が得られにくい建物の状態診断と問題点予測、地域密着型への転換など。「ホテル再利用」では料飲階の大きな階高を活用した他ホテルにない大浴場や高天井高の客室等の企画、料飲等の不採算部門の外部化など。「用途変更」では既存建物の空間特性との適合性に基づく発想などの提案を行った。 次に『新築ホテル』を念頭においた長寿命を可能とするプロトタイプとして、「共通事項」として平面計画上の制約の少ない純ラーメン構造(理想)、時代のニーズの変化に大きく影響される低層階の階高確保。将来の「用途変更」も視野に入れる場合は、用途で要件が異なる廊下幅や居室面積への対応可能性の計画などの提案を行った。またその具体案として、都市部における「異なった業態のホテルへの変更」型と、都市部郊外/地方都市における「高齢者住宅や福祉系施設への用途変更」型を示し、これらにっいて法・制度上の課題と事業収支シミュレーション面での検討を行った。
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Research Products
(5 results)