Research Abstract |
1.地域空間像と実現された実態空間,実現手法相互の関連調査・分析 実現された空間の「実態」と「地域空間像」および実現手法との相互の関係を明らかにし,地域空間像のまちづくりへの効果を明らかにするものであり,17年度に引き続き18年度では,以下のような知見を得た。 (1)実態空間の構成とそのイメージ抽出と空間像との関連分析 平成17年度の調査対象まちづくり地域のうち空間像が実現された実態空間を対象として,形成プロセスの類型,空間像の形態タイプ,適用制度の類型を考慮して5地区を選定した。つぎに,まちづくり目標,実現された空間,地域空間像の3要素からなる地域空間像の達成に関わる評価モデルを設定し,対象地区のそれぞれについて,(1)整備計画や規制誘導を示す地域空間像と実態空間のイメージ評価の差異,(2)目標を示す地域空間像と実態空間の差異を把握するために,シュミレーション画像をもちいた画像認知実験を実施した。これによって,地域空間像のまちづくりにおける有効性を評価した。その結果,上記(1)と(2)の間の達成度について相関関係があり,そこに4つに類型化されることがわかった。 (2)地域空間像達成度と形成プロセス,事業・規制誘導手法との関連分析 以上の空間像の達成度について,空間像形成プロセス,事業・規制誘導手法との関連分析を行ったが,とくに形成プロセスについては,まちづくり支援手法とも関わる5つの類型が認められ,この類型ごとに達成度の特徴を引き出すことができた。 2.地域空間像の効果の検証 17年度,18年度の調査・分析を総括して,地域空間像のまちづくりに対する種々のレベルでの貢献を評価し,その有効性を検証した。その結果,(1)まちづくりの目標像としての有効性,(2)まちづくり活動の持続性としての有効性,(3)まちづくり活動の共有化としての有効性の3つの視点を提示し,そこに地域空間像の意義を展望した。
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