2005 Fiscal Year Annual Research Report
分譲マンシヨンの成立と存続に影響する社会構造及び都市構造の変化について
Project/Area Number |
17560556
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
松本 恭治 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (30017967)
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Keywords | 中心市街地の空洞化 / 市街地の拡散 / マイカー社会 / 地方都市 / ゴーストマンション化 / 競売価格 / マンションの空室化 / 中古価格低下 |
Research Abstract |
本年度に行った研究は以下の通りである。 (1)、群馬県内の各市町村の変貌を捉えるため人口、産業、通勤事情、就業、所得、地価変動等に関する分析を行い、さらに市街化調整区域の開発状況、市街化繰り入れ状況を長期間のデータ-を整理し分析した。自動車社会が市街地の拡散を加速したかに見えるが、公的機関の活動が市街地拡散を加速した側面も大きいことが判明した。群馬県は50万人を超える大規模都市がなく、中小の都市が互いに人口を引き合う中で市街地が薄く拡大した側面もあり、都市の分散状況が全国一にマイカー通勤率を引き上げたようだ。 (2)、平成12年に県内のマンションの全てを訪問調査したが再度訪問調査をし、全リストを確認するとともに、12年以降17年までに供給されたマンションを確認した。入居状況、中古価格、借家数、計画店舗数と空き店舗数、空き住宅状況を調査分析した。近年東京のマンション供給数が頭打ちになったためか、群馬でも新築マンションが急増しているが、実需に対して供給計画がなされたわけでなく首都圏で供給活動が行き詰まった企業活動のはけ口として新築されるのだから、ストックの空き家増加に繋がる恐れが強い。 (3)、平成12年9月〜17年9月までの群馬県内で生じた分譲マンションの競売状況(述べ720件)を分析した。(3)のデータ-と(1)、(2)のデータ-を結び付け、どのような属性のマンションが競売になりやすいかを明らかにした。競売が止め処も無く出されるマンションがあったが、これらは管理の崩壊と結びついている。地方のマンションストック数は大都市圏に比べると圧倒的に数が少なく、市民や行政の維持管理に関する関心が低い。管理組合団体など管理をサポートする組織もない。従って新たに供給されるマンションも適正に管理されるか否か懸念材料が多い。
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