2006 Fiscal Year Annual Research Report
分譲マンシヨンの成立と存続に影響する社会構造及び都市構造の変化について
Project/Area Number |
17560556
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
松本 恭治 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (30017967)
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Keywords | 都市の空洞化 / 郊外の衰退 / 少子高齢化 / 人口密度 / 低水準化 / 空き家化 / 管理組合 / 維持管理 |
Research Abstract |
本年度の研究は国勢調査結果(17年)が公表されたことを受けて15年実施された住宅統計調査の結果と合わせ分譲マンションの立地上の諸問題を解析した。さらに介護保険事業報告書のデーター、人口問題研究所の2030年までの人口予測と合わせて介護面、人口変動から見たマンションの都心集中、郊外の衰退予測からマンション立地から生じるマンション問題を予測した。その結果はマンション学会等に報告した。 マンションの成立と衰退に強く影響する地方都市の変貌を現地見学やマンション管理組合へのヒヤリングを通して分析した。群馬県においては筆者の呼びかけで結成した群馬マンション研究会参加の10管理組合会員マンションの個別データーを収集し、国の統計を解析する方法では得られない生身の状況を把握した。横浜市、千葉ニュータウン、茨城県の龍ヶ崎ニュータウン、広島市、仙台市などの長期経過したマンションにも出向き観察と分析を行った。 今後東京大都市圏では人口の高齢化少子化の影響で郊外の衰退が予想される。公共交通機関の乗降人口は乗り合いバスで特に顕著で、場所によっては鉄道の乗降人口が激減している。理由は都心への人口のユーターンだけでなく、郊外居住者のマイカー通勤の増大が上げられる。未婚、離婚の増加もマンション居住者象を大きく変える可能性が高い。東京都心では持ち家共同住宅居住者の中で単身率が急増しているが、これは居住者の高齢化だけで生じた訳でなく、若年、壮年未婚者がマンション需要者に民間賃貸アパートから転入した結果による。都心ではねぐら型居住者が増えることでマンション管理はますます困難化しつつある。一方郊外では中古需要の減退から居住者の低所得化が進行しつつあり、建物の維持保全はおろか健全なコミュニティーの維持を困難にしつつある。郊外、さらに地方都市では空き家化したマンションもふえつつあり、緊急で持続的な対策が必要と思われる。
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