2007 Fiscal Year Annual Research Report
分譲マンションの成立と存続に影響する社会構造及び都市構造の変化について
Project/Area Number |
17560556
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
松本 恭治 Takasaki University of Health and Welfare, 健康福祉学部, 教授 (30017967)
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Keywords | 市街地の拡散 / 競売 / 空き家、空き店舗化 / 管理組合の崩壊 / マンション供給 / 中古価格の低下 / コンバージョン / コンパクトシテイー |
Research Abstract |
研究の対象・方法:(1)群馬県の全分譲マンションリストの作成から取り組んだ。現地訪問し現状を確認すると共に関係者にヒヤリングを加えた。リスト作成には新聞、広告、IT情報を利用し、また不動産業者、管理組合役員等の協力を得た。(2)同様に中古価格や管理費、修繕積立金、駐車場料金等の情報を収集整理した。(3)平成12年9月〜平成17年9月までに生じた群馬県内マンションの競売情報を収集した。(4)市街地の拡大を把握すべく用途地区の面積拡大、指定変更とその理由、開発事業者についての基礎情報を集めた。(5)本研究に資する国・自治体の統計資料を収集した。(1)〜(5)については可能な限り各種データーを連結し相互の関係明らかにすることに努めた。(6)都市再生やマンション管理の実態、空きマンションや空きビル活用のコンバージョンの実態を把握するため群馬県以外の主要都市町村に出向き資料収集、観察・ヒヤリングを実施した。これによって群馬県の現状の位置付けと将来取るべき対策を検討するための基礎的資料を得た。 主な研究成果:地方都市においては(1)マンションの供給は県外業者に依存する度合いを強めているものの業者の大半は進出撤退を繰り返し、持続的安定供給を望めない。分譲時点でマンション管理を撹乱し阻害する要因を多数内在させる結果となった。(2)管理の場面では(1)によって管理阻害要因が表面化すると共に、郊外の拡大、中心市街地の空洞化、マイカー社会が不安定・不良管理を一層助長した。(3)管理組合相互の連携がないこと、住民・行政の関心が薄いことがさらにマンションの不良化に拍車を加えた。 意義・重要性:本研究の成果は地方都市の再生に資するだけでなく、小子高齢化、人口減少が進行する大都市圏の将来を検討する上でも大いに参考となる。住宅・都市は医療・保健・福祉・教育・労働・消費生活の基盤であるから都市問題と関連させたマンション研究は裾野を拡大する。
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