2005 Fiscal Year Annual Research Report
建築内外装仕上構法の変遷に関する研究 -断熱材料・構法の変遷-
Project/Area Number |
17560559
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
真鍋 恒博 東京理科大学, 工学部, 教授 (10084378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池尻 隆史 東京理科大学, 工学部, 助手 (10408718)
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Keywords | 建築構法 / 断熱材料 / 断熱構法 / 変遷史 / データベース / 断熱建材 / 繊維系断熱材 / 発泡系断熱材 |
Research Abstract |
建築材料・部品は開発以降様々な理由に基づき変化しており、それに伴い、材料・部品を受け入れる側としての建物の構法も変化している。今後の建築構法の在り様については、各材料・部品や構法の変遷、さらにはその理由や必然性に関する網羅的把握が不可欠である。 本課題では、我が国において広く普及した建築材料・構法のうち、主な建築内外装仕上構法、とりわけ各種断熱に関する材料・構法を対象とし、近代以降現代に至るまで変遷過程を明らかにすることを目的とした。 本年度は、現存する断熱材の中でも単一の材料で形成されている断熱材を対象に開発経緯などの詳細について調査した。この調査は社史・業界史、過去のカタログ、社内資料、雑誌などにおける記述を網羅的に収集する文献調査と実際の開発担当者や施工技術者を対象としたヒアリング調査を中心としている。これらで得た情報を製品種・構法の属性・時間の3軸からなるマトリクスで整理し、変遷の様態を明らかにした。 単一素材の断熱材は大きく繊維系と発泡系に大別できる。繊維系断熱材は石綿の代用品としてのグラスウールやロックウールの鉱物繊維断熱材から開発が始まり、以降住宅用製品として様々な構法的検討が加えられた。近年では環境問題を背景に自然素材を利用した木質繊維などを利用する製品開発の傾向が明らかとなった。一方、発泡系断熱材については、合成樹脂を原料とするものに始まり、難燃化の検討を経て住宅用途への採用が始まっている。繊維系と同様に、近年では環境への配慮が顕著であり、ノンフロン化が製品開発の軸となっていることが明らかとなった。これらの断熱材に関連する構法については、特に床の断熱構法において、製品開発の展開を背景とした構法の変遷が確認されている。 来年度は木質セメント板や石膏ボードなどを用いた複合素材の断熱建材、あるいは化学畳などの断熱材以外の建材についても断熱性能を有するものについては調査を展開し、断熱材現状とその変遷の全貌を明らかにすることを目標とする。
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