2006 Fiscal Year Annual Research Report
地域住民が運営管理する「歴史的建造物を活用したまちづくり拠点施設」に関する研究
Project/Area Number |
17560568
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Research Institution | Akashi National College of Technology |
Principal Investigator |
八木 雅夫 明石工業高等専門学校, 建築学科, 教授 (10182304)
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Keywords | 歴史的建造物 / 保存 / 活用 / まちづくり拠点 / 地域住民 / 指定管理者制度 |
Research Abstract |
伝統的集落や都市部の既成市街地において、災害や戦災を経ずに継承されてきた歴史的建造物は地域の特性をものがたる要素として位置づけることが可能である。一方、地方財政の悪化や少子高齢化の進行は地域社会そのものの存続を危うくし、同時に歴史的建造物の維持も困難となり、地域における空家や空地は増加の一途にある。このような現状から、多くの歴史的建造物の継承は、地域住民が主体となった保存・活用により「まちづくり拠点施設」の役割を担い地域の活性化や将来展望に結びついてこそ、実現可能と考えられる。 本研究では、歴史的建造物を活用したまちづくり拠点施設の事例を現地調査し、管理主体、運営管理方法、用途、保存活用までの経緯等を明らかにした。近年では運営管理に関して効率化を進めるため、行政や所有者が指定管理者に委託する例が増加しつつあるものの、今なお助成金や補助金などの公的な支援が経営を成り立たせる基本条件となっていることが明らかとなった。これに対して、きびしい地方財政事情の中で歴史的建造物を活用したまちづくり拠点施設運営の自前性確立の動きも見られる。事例として、岡山県美作市において地元住民が主体となった昭和初期建築の空家を活用したまちづくり拠点づくりに着目した。ここでは、NPO法人結成を展望した住民有志による活動の初期的段階に関して、地域住民がどのような意識で見守っているかをアンケート調査により明らかにした。こうした保存・活用の動きに対して一部反対を明確にしている回答者があったが、まちづくり全般に関して消極的な対応をしていることが明らかとなった。この結果、保存・活用に関して自前性を強調できる活動であれば、地域の支持も得られやすく、公的な支援に結びつきやすい可能性を有していることが確認された。
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Research Products
(1 results)