2005 Fiscal Year Annual Research Report
アジアのコロニアル式住居の成立と定着化に関する研究
Project/Area Number |
17560571
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
泉田 英雄 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (70203057)
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Keywords | コロニアル式住居 / 植民地都市 / アジア建築 |
Research Abstract |
本研究では、17世紀以降、大勢のヨーロッパ人がアジアに居住するようになり、現地の社会制度や気候風土に適応しながら作り出した住宅様式をコロニアル式住居と呼び、成立過程、各地における計画および形態的特徴ならびに現地社会による受容過程などを明らかにすることを目的にしている。平成17年10月に本研究申請が採択されたが、すでに校費などによって文献調査を始めており、今年度研究費はもっぱら文献資料の乏しい地域におもむき、関連研究者との意見交換と関連資料の収集のために用いた。具体的には以下の作業を行った。 1)ヨーロッパ諸国がアジアに拓いた居住地や都市の政治社会プロセスと概念及び形態などの整理 これに関しては、過去十周年来各種研究助成を頂きながら研究を続け、平成14年度日本建築学会都市史小委員会主催「植民地都市の今」公開シンポジウムでの議論を経て、平成15年から海域アジアの都市形成史研究として印刷出版する作業を行っていた。本書は、ヨーロッパ植民地都市と華人(中国系移民者)街の関わりを中心にして今年度末に学芸出版社から出版された。 2)文献記録によるヨーロッパ人の植民地生活様式の解明 ゴア、マドラス、コロンボ、ゴール、マラッカ、ジャワ、ペナン、シンガポール、マカオ、香港、上海などに居住したヨーロッパ人たちの生活様式を知るための基本文献の収集と解読を行った。 3)現地調査によるコロニアル式住居の概略の把握 関係資料の乏しいスリランカに関して、年度末に2週間滞在し、モラトゥワ大学建築学科スミタ教授(京都大学で博士号取得)と意見公開を行い、資料収集と遺構の概略調査を行った。 4)国際学会での研究成果の発表 本研究テーマに関連して、今年度インドネシアのトリサクティ大学と共同主催した国際会議でヨーロッパ植民地都市におけるヨーロッパ人とアジア現地人の都市生活価値観の相違を議論し、また雑誌『アジア遊学』において同内容を概説した。 以上、コロニアル式住居の具体的形態について論じる前に、その成立背景などを広範に調査してきた。
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Research Products
(3 results)