2008 Fiscal Year Annual Research Report
浅草・銀座・新宿・渋谷の建築機能分布からみた近代における東京の繁華街の形成と変遷
Project/Area Number |
17560573
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
初田 亨 Kogakuin University, 工学部, 教授 (10100356)
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Keywords | 浅草 / 銀座 / 新宿 / 渋谷 / 繁華街 / 商店・事業所 / 建築機能 / 近代 |
Research Abstract |
2008年度は、2007年から引き続き浅草、銀座、新宿、渋谷を対象にして戦後から現代までの調査を進めてきた。調査の方法では、これまでと同じく、商店・事業所の内容を「土地利用現況図(用途別)」を基にして、系と機能と施設の3つの段階についての分類を行いグラフにまとめ、商店・事業所の分布を、各時代の地図にプロットした図を作成している。 本年度は、都市の主要な交通機関と繁華街の関係を把握するため、鉄道駅と路線の変遷と乗降者数について調べ、グラフと図を作成した。また、繁華街における不特定多数の人々が利用する施設と交通機関の関係を調べるために、交通機関の変遷の図に主要な都市施設をプロットしている。さらに、繁華街における居住者人口についても調べ、グラフを作成している。これにより、山手線や東京の西郊外に広がる住宅地と繋がる小田急線や京王線などの私鉄が集中する、新宿と渋谷のターミナル駅を持つ繁華街の著しい発展と駅前周辺における、買回り品販売機能の集中化が指摘できた。そして、浅草、銀座、新宿、渋谷の繁華街と住居の関係では、居住人口と鉄道の乗降者数が逆の傾向を示しており、外部から不特定多数の人々が利用する頻度が高くなるほど、居住人口が減少している傾向が指摘できた。特に、ターミナル駅をもつ新宿、渋谷については、年代が新しくなるにつれて、鉄道の乗降者数が著しく増加し、住居系の分布が周縁部に分散し消えていく様子が確認でき、浅草と銀座については大きな変化がみられなかった。これにより、戦後の繁華街においてターミナル型の鉄道駅が、都市に与える影響が大きいことが指摘できた。
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Research Products
(2 results)