2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノチャンネルを有する金属材料のチャンネル形態制御と機能化
Project/Area Number |
17560582
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
谷本 久典 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (70222122)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水林 博 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (40114136)
|
Keywords | ポーラス材料 / 金属物性 / 格子欠陥 / ナノ材料 / 選択腐食 |
Research Abstract |
ナノメートルオーダーのオープンチャンネルを有するナノポーラス構造の金属材料は耐熱耐衝撃性に優れたウルトラフィルタや増大した内部表面による高性能触媒などへの応用が期待される。これまでに、完全固溶系の金-銀合金の電解研磨により銀を選択的に溶出させることで、nmオーダーのチャンネル径を有し気体透過性を示すナノポーラス金ナノ結晶薄膜の作製が可能であることを報告してきた。今年度は電解研磨に加えてより簡単な濃硝酸による化学腐食によってもナノポーラス金薄膜を試み、さらに電解研磨法とあわせて研磨条件によるチャンネル形態制御について調べた。その結果、SEM観察ではナノチャンネルが明瞭に見られなかった電解研磨法で作製された試料に対して、その破断面SEM観察などから化学腐食法ではより空隙率高く、直径数10nmの開口チャンネルを有するスポンジ状ナノポーラス構造の形成が確認された。この組織の違いに対応して、電解法で作製された試料の室温におけるHeのガス透過率約10^<-11>molm^<-1>s^<-1>Pa^<-1>に比べて2桁以上大きな値を化学腐食法で作製された試料は示した。また、電解法では電流密度を増大させるほど、化学腐食法では電解液の液温が高いほどガス透過能が高い膜が得られたことから、これらの条件によりナノチャンネル径及び数密度を制御できることが明らかになった。これらを踏まえて、やはり完全固溶系であるが選択腐食実験の報告例がほとんどない白金-銅合金に対しても同様な実験を進めているが、濃硝酸を用いたCu_<70>Pt_<30>固溶体の化学研磨では全体的にもほとんど腐食が進まず、ナノポーラス白金薄膜の作製には現時点で至っていない。今後、より銅濃度の高い合金組成及びより酸化力の強い電解液での化学腐食を行うとともに、電解研磨による銅選択腐食でのナノポーラス白金薄膜を試みる計画である。
|
Research Products
(3 results)