2005 Fiscal Year Annual Research Report
析出核生成における自由エネルギー変化の第一原理計算
Project/Area Number |
17560587
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
西谷 滋人 関西学院大学, 理工学部, 教授 (50192688)
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Keywords | 振動エネルギー / フォノン分散 / フレンケル法 / モンテカルロ法 / 並列計算 |
Research Abstract |
本研究では,申請者らが新たに提案している核生成に伴う自由エネルギー変化を第一原理計算から求める手法に,振動エネルギー計算を組み込むことによって,その適用範囲を拡げることを目的としている. 本年度は, (1)原子間ポテンシャルを用いたフォノン状態密計算ルーチンの開発 (2)動的なシミュレーションとの比較 (3)第一原理計算の高速並列実行環境の構築 を目指した.以下にそれぞれの項目での達成レベルを報告する. (1)MapleならびにC言語によって経験的ポテンシャルからdynamical matrixおよびk-空間でフォノン分散,フォノン状態密度を求めるプログラムを構築した. (2)平衡モンテカルロ法の原理を用いて,精度よく自由エネルギーを計算するFrenkel法をコーディングした. (3)VASPを高速に実行する環境を築いた.特にMPIのcompileによって並列実行時の計算速度を向上することができた. これらの結果を踏まえて,もっとも単純な手法で振動による膨張,自由エネルギー計算をおこない,Fe-Cu系での第一原理計算をさらに精度を上げ,活性化エネルギーを求めた.それらの結果は,海外の一流学術誌に掲載されている.
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Research Products
(2 results)