2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560594
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
西野 純一 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (70272862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 秀俊 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (80250984)
伊藤 治彦 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (70201928)
大塩 茂夫 長岡技術科学大学, 工学部, 教務職員 (90160473)
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Keywords | DLC / 密度 / X線反射率 / XRR / アモルファスカーボン / マテリアルアトラス |
Research Abstract |
1.目的 アモルファスカーボン膜は,硬さ,熱安定性,摩擦係数等の物性を変えることが可能なため,その用途は多岐にわたっている。本研究では,エタノールを原料とした電解析出法とメタン-水素混合ガスを原料としたECRプラズマCVD法によりアモルファスカーボン膜を合成した。合成したアモルファスカーボン膜の構造パラメータしての密度をX線反射率測定(XRR)法によって求め,密度と膜物性との関係を明らかにすることを目的とした。 2.方法 アモルファスカーボン膜の電解析出は,原料液としてエタノールを用いた2電極法で行った。析出基板にはSi(100)基板,対極にはグラファイト板を用い,析出基板と対極との距離(D)は0.5,1.0mmとした。電解析出は-200Vから-500Vの電位において45分間行った。また,メタン-水素混合ガスを原料としたECRプラズマCVD法でもアモルファスカーボン膜を合成した。得られたアモルファスカーボン膜の真密度は,XRR法を用い測定したデータにリガク社製のXRR解析ソフトGXRRを用いてシミュレーションをフィッティングすることにより求めた。また,膜の屈折率の測定には単色のエリプソメータ(λ=632.8nm)を用いた。 3.結果および検討 電解析出の場合,印加電圧が大きくなるにしたがって炭素膜の屈折率および膜の密度は低下した。また,析出基板-対極間距離(D)が1.0mmの場合の方が0.5mmで合成した膜よりも密度および膜の屈折率が高かった。炭素膜の屈折率は,膜の密度が高くなると高くなったが,その挙動は単調ではなかった。これは,印加電圧の上昇に伴い膜の表面が荒れ屈折率が低下するとかんがえられる。したがって,膜の屈折率は膜の粗さもパラメータとして考慮する必要があり,膜の密度のみに屈折率が依存しないことがわかった。
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