2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560599
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
板谷 清司 上智大学, 理工学部, 教授 (90129784)
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Keywords | 国際研究者交流 / オランダ / 酸窒化ケイ素カルシウム / 合成 / 粉体物性 / 蛍光特性 / 希土類系付活剤 / 励起・発光特性 |
Research Abstract |
本年度では新規なアルカリ土類酸窒化ケイ素として酸窒化ケイ素カルシウム(Ca_3Si_2N_2O_4)に着目し,その合成条件を検討するとともに,得られた化合物に付活剤をドープして蛍光特性について評価を行った。試料はCaCO_3,Si_3N_4およびSiO_2を混合し,さらに付活剤として希土類(RE)酸化物RE'_2O_3(RE'=La,Nd,Sm,Eu,Gd,Dy,ErおよびYb),CeO_2,Pr_6O_<11>,Tb_4O_7のうちの一つを化学量論比((Ca+RE)/<Si>=1.5)になるように加えた。これらの混合粉体を1250〜1400℃の種々の温度で3h、N_2気流中において加熱し,さらに50MPaの圧力で円板状に成形し,上記と同じ条件で加熱して目的の化合物を得た。得られた粉体について,それぞれ励起・発光スペクトルを測定した。本年度の成果を要約すると,以下のようになる。 (1)Ca_3Si_2N_2O_4の合成条件を検討するため,付活剤を添加せずに1300〜1400℃の温度において加熱した試料の結晶相をXRDによって調べた。その結果,いずれの加熱試料からもほぼ目的とする相(Ca_3Si_2N_2O_4)が検出されたが,EDXによる組成分析およびEu付活による蛍光特性の総合的な評価によって,Ca_3Si_2N_2O_4を合成するための最適な加熱温度を1300℃に決定した。 (2)1mol%の付活剤を加えて調製した化合物に対して,370nmをピーク波長とする近紫外線を照射したところ,Ce付活の場合が青白色,Eu付活の場合が黄緑色,さらにTb付活の場合が緑色の発光を示した。また,Tbを3mol%付活した場合,303nmの光で励起して550nm付近をピークとする緑色の強い発光を示した。さらに,Ybを0.1mol%付活した場合には青白色に発光した。
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